内容説明
二人には何年も何年も幸せなときが続き、楽しい思い出もたくさんありました。でも、いまついに一人が旅立ち、もう一人が残されるときが来たのです。言葉と絵が後に残る者の悲しみと寂しさを余すところなく描いて、それでもなお、愛は死によっても失われることはなく、この世での寂しさはいっときのものと伝えています。
著者等紹介
ゴフスタイン,M.B.[ゴフスタイン,M.B.][Goffstein,Marilyn Brooke]
1940年、アメリカ、ミネソタ州セントポール生まれ、ニューヨーク在住。大学で美術と小説、詩作を学ぶ。卒業後ニューヨークに移り画家として活動。その後、絵本の制作を始め、子どもたちや若い人に向けて、友情、自然、家族、仕事などをテーマに魅力的な作品を数多く発表
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年、東京生まれ。1952年、第一詩集『二十億光年の孤独』出版。以後詩、エッセー、脚本、翻訳などの分野で文筆を業として今日にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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masa@レビューお休み中
61
パステルの淡い色彩、やさしい絵、やさしい物語を予想していたら、見事に予想を裏切られた。タイトルの『あなたのひとり旅』というのは、そういう意味だったんですね。一人残された妻が、まるで恨み言のように何度も何度も同じ言葉を繰り返す。ただ、その悲しさや絶望感も淡いパステルの中に消失してしまう。来る日も来る日も、呟き続ける。同じことを繰り返したとしても、確実に時は流れ、そしていつかひとり旅ではなくなるときが来るということですよね。それは、誰にでも平等に訪れる権利なのではないかと思うんです。2012/04/27
かおりんご
40
切ないね。大事な人との別れって・・・淡々と話が進むから、なおのこと切ない。2015/10/06
gtn
28
いつか会えるとの希望と二度と会えないという絶望が行き来する。この絵本は結論を出さない。最後は信じ切ること、またそれを支える信仰だと思う。2020/02/13
リッツ
25
パステル調の表紙が目に留まり手に。残されるのは辛い、いつも。真実の愛というと昔は特別な激しいものだと思っていたけれど。でもそれは平凡な暮らしのなかで育まれ、かけがえのないものと改めて思うこともなく過ごしている…そんな日々のなかにあるのかも。そしていつか別れがきた時、想うのはきっと私も自分の旅立ち、いつか再び…と。2014/10/02
かおりんご
23
絵本。大人向け。ずっと一緒にいた人が亡くなるって、こんな気持ちなんでしょうね。最期は笑顔で見送りたいという気持ちになりました。ほんわかします。2014/01/13