レザルド川

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  • サイズ B6判/ページ数 305p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784773803105
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

フランツ・ファノンと同世代人で、エメ・セゼールの影響の下で文学の道を選んだマルチニックの人間がいた。待望久しいクレオール文学の登場。

著者等紹介

グリッサン,エドゥアール[グリッサン,エドゥアール][Glissant,Edouard]
1928年生まれ。マルチニック生まれの作家。ネグリチュード運動のエメ・セゼールの次の世代を代表するカリブ海仏語圏の知識人である。1981年に出版された『アンティル論』で、三角貿易で連れてこられたカリブ海の黒人たちに、「アフリカ回帰」ではなく、「カリブ海への本格的な根下し」を提唱し、「クレオール性」を標榜する若い世代―P.シャモワゾーやR.コンフィアンたち―に多大な影響を及ぼした。1958年度のルノドー賞を受けた『レザルド川』以降、『第四世紀』(1964)、『マルモール』(1975)、『奴隷監督官の小屋』(1981)、『マアゴニー』(1987)などの連作小説によって、島(マルチニック)の黒人の歴史を克明に掘り起こすと同時に、世界的視野から、民族や言語の多様な接触によって起こる地球社会の新たな問題に対して、独創的なコンセプトを打ち出し、活発な評論活動を行ってきた。現在ニューヨーク市立大学・大学院教授

恒川邦夫[ツネカワクニオ]
1943年生まれ。東京大学文学部博士課程中退。パリ第三大学文学博士。現在、一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門はフランス文学(ポール・ヴァレリー研究)、仏語表現黒人アフリカ文学・カリブ海(クレオール)文学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スミス市松

19
再読。急流/蛇行/滞留/並走してゆく川の流れのように錯綜した語りの構造、島の鬱蒼する植物群や海、川、山、平地、町などそれぞれの場所に象徴性を付与する描写、そして登場人物の対的造形が顕著に表れる本書は、マルティニーク島という土地を比類なき風景の多様性を保つ一つのトポスとして浮かび上がらせつつ、そこから近代的な「物語」と土着的な「夜話」を融合させた新たな語りの主体である「ぼく」の誕生を鼓舞する作品である。端的に言えば、この小説では物語とは別の次元で、ある風景の相貌を体感するように読まれることが求められている。2019/08/19

三柴ゆよし

19
なにはさておき、小説とは単なる物語でない以上、そこには文体という批評の方法が必要になるが、本書においてグリッサンが発明した文体はきわめて晦渋である。が、読者を容易に浸透させないこの抽象度の高い文体によってマルティニック固有の風景が描写されるとき、個別なるものが普遍なるものへと開かれていく感覚がたしかにある。どれほど小さくともその世界にはきっと世界のすべてが含まれている。マクロな一が全なのではなく、あるのはただ、ミクロな一、その連なりなのだ。作家の思想と文体が美しく結びついた稀有な例をみたようにおもう。2019/07/14

ぞしま

18
右ストレートをずっと打たれているような、あるいはフリーコードの一発モノ(端的に言うと一時期のコルトレーンのソロ)のような、そんな文体。読み難さはそこに由来するが、神話性や戯曲性はそこから醸されるという着眼点はすごく腑に落ちた。 タエルが歩んだ泥土のように晦渋な文体は閉鎖性と停滞感をひきつれ、その先に解放が(それはつまりレザルド川下りのことなのだが)待っている。ガランとタエル、二人の境界は溶融していく。現前の激した景色の一方、私の頭の片隅では静謐な水源のイメージが星くずのように静かにチラついていた。最高。2019/08/15

スミス市松

12
1945年、胎動する当時のマルティニック島と躍動する若者たちとの〈関係〉を描いたエドゥアール・グリッサンの処女長編小説。文章の至るところに飛び散って燃えあがる言葉の数々、次々と切り替わる人称、色鮮やかで瑞々しい自然の描写がこの小説を表題通りの奔流に仕立てあげ、熱狂し叫びまわる若者たちの「川下り」は――まるで言葉がその輪郭をなぞっていくことであらわれはじめる「物語」のように――その行程自体よりも大きく新しい「何か」の輪郭をなぞるようにして進んでいく。2012/12/16

parakeet_woman

5
読書会課題図書。海、川、山、平地といった地理と人々の動きや属性、あるいは過去、未来といった時間軸がリンクしているのが面白い。特に海の多義性は単純化した読みを拒絶するようでこちらも刺激を受ける。 南から一気に北上したヴァレリーの運命について感じた不可解さは見事解消。会では「父殺し」について言及があった。自分では一生かかっても気づかなかった視点を提供していただいた。難解な作品であるからこそ掘り出せるものも多かったように思う。2019/08/18

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