Sekaishiso seminar
ドラッグの社会学―向精神物質をめぐる作法と社会秩序

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784790713692
  • NDC分類 368.8
  • Cコード C1336

内容説明

マリファナ・覚醒剤・LSDなど薬物をめぐる作法はどのようなものなのか?それは、どのように形づくられてきたのか?使用者自身のリアルな語りからその作法を浮き彫りにし、自由化運動と統制政策から社会秩序についてかんがえる。

目次

第1部 ドラッグについてかんがえる(ドラッグをもってパーティに出かける―一九九七年八月、はじまり;これまでのドラッグの社会学―ドラッグについてかんがえる方法;こんにちのドラッグ使用―使いつづけること、そしてその後)
第2部 ドラッグをとおしてかんがえる(ドラッグをめぐる運動―ドラッグについて語る作法の同一性;ドラッグをめぐる政治―ナショナリズム、あるいは「彼ら」と「われわれ」;ドラッグ問題と秩序構想―非犯罪化・経済化・リスク管理)
ドラッグをめぐる作法と社会的思考―反復される語りと「社会的」領域

著者等紹介

佐藤哲彦[サトウアキヒコ]
1966年、神奈川県生まれ。熊本大学文学部教授。専門は社会学、とくに犯罪社会学・医療社会学・ディスコース分析。博士(文学)。大学卒業後に出版社勤務をへて、1997年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。おもな著作に『覚醒剤の社会史―ドラッグ・ディスコース・統治技術』(東信堂、2007年度日本社会病理学会学術奨励賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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真弓Trick

1
ドラッグを常用する「彼ら」と、その人々を遠巻きに眺める「われわれ」は、それほど厳密に区別されるべきものなのだろうか?麻薬常用者への数多くの生々しきインタビューを通して「彼ら」の語り口や実態を数多く掲示し、また一方でドラッグが徐々に禁止すべき薬物として「われわれ」に認定されていくようになった社会通念の変遷を記す。イギリスやオランダ、合衆国や日本の薬物関連法の歴史についても詳述がある。ヤク中をただの逸脱者として排斥するのではなく、彼らを含めた社会全体をかんがえるべき、と踏み込んだ議論へ誘導してくれる本だった。2014/06/11

無人@なしひと

1
最終的にしっかり社会学に繋げる手法は見事だった。一章で小説が始まった時は地雷かとも疑ったし想定したような違法化過程への批判でもなかったが、結果的に欲しかった以上のものを得た。良書2014/04/11

13km

0
ドラッグを使用する人達のドラッグに対する姿勢がリアルに書いてある。彼等はいわゆるジャンキーにならないように彼等なりに節度を守って嗜んでいる。一度使用したからといって中毒になれるわけじゃなく、むしろ使い続けるほうが難しいのはドラッグに対する考えを覆すものだと思う。2012/03/22

sio

0
ドラッグが使用者や国家によってどう語られ、どのように扱われてきたかを詳細にまとめた一冊。ドラッグを使う人は自ら社会的な領域に参入しドラッグを利用していること、ドラッグの規制に反する運動が健康という社会的な価値の上で行われ、その価値を反復していることが興味深かった。また運動の前にはどの社会的な価値を土台とするかの闘争があるのではないかと感じた。私達が他者や社会との関係の中でどう振る舞い、どう語るかを明らかにすることで、自他の関係性の別のあり方を想像することができるのかもしれない。2019/07/12

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