光人社NF文庫
本当の潜水艦の戦い方―優れた用兵者が操る特異な艦種

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784769824930
  • NDC分類 556.97
  • Cコード C0195

内容説明

元海上自衛隊潜水艦長が戦争の実態に基づいて検証し、潜水艦の最適な用法作戦を示す。海上自衛隊の作戦に疑問を投じる話題作。

目次

第1章 潜水艦とはどのような軍艦なのか(能力評価要素(性質を理解するために)
潜水艦の強点 ほか)
第2章 潜水艦作戦の条件(隠密性を保障するための自由な行動;適正な配備 ほか)
第3章 日本海軍潜水艦作戦の実態(艦隊作戦協力の拘束;限定的な潜水艦単独作戦 ほか)
第4章 潜水艦作戦失敗の原因(艦隊決戦思想;潜水艦の無理解と軽視 ほか)
第5章 海上自衛隊の潜水艦(対潜至上主義;潜水艦の軽視 ほか)

著者等紹介

中村秀樹[ナカムラヒデキ]
昭和25年、福岡県に生まれる。昭和49年、防衛大学校卒業(18期生)、海上自衛隊に入隊。護衛艦隊幕僚、潜水艦艦長、幹部学校教官等を務め、防衛研究所戦史部を最後に平成17年、退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mazda

31
細かいことをたくさん書いていますが、かなりマニアックな感じで全てを読むのはきつかったです…。潜水艦の能力はすごいと思うのですが、過去の実践を通してあまり役に立っていなかったような印象を受けます(敵を発見しても無線が届かず連絡できなかった、とか)。最近の潜水艦は、きっと飛躍的に性能があがっているんだろうな、と想像しますが、実際どうなんでしょうか?今後隣国の動向をきちんと把握するには、潜水艦の性能向上が重要だと思います。2015/02/16

スー

18
1元護衛艦隊幕僚・潜水艦艦長の筆者が戦時中と戦後の潜水艦について考察しています。海軍の空母から魚雷艇まで能力値を円グラフにして各艦種の得意不得意と運用方を解説。そして頭の硬い海軍が潜水艦部隊の能力を超えた運用を行い大損害を出した。特殊潜航艇も小回りが利かないのに防潜網の張り巡らわされた拠点の潜入を命じ損害を出した。潜水艦の専門家が参謀や司令官に居らず門外漢達が無謀な作戦を立て縛り付けた当然の結果だった。後半は自衛隊の潜水艦の状況になりますがとてもお寒い状態のようです。海軍以上に頭が硬く潜水艦部隊の優先度2022/01/02

白義

8
自ら潜水艦乗りだった著者による日本軍の潜水艦作戦の総括。潜水艦という兵器の強みを、隠密性と攻撃力と位置付け、艦隊決戦の添え物としてしか潜水艦を見ていなかった日本軍の無理解がその失敗の原因と説く。手際よく軍艦の能力の定義といった基礎から実際の戦史までまとめられていて、さすがプロフェッショナルの文章と感じ入る。その延長で海上自衛隊の対潜能力や制約の多さを批判しているが、現場の潜水艦乗りだった人間として傾聴に値するものが多い一方、それゆえのバイアスで偏りすぎている気もしなくはない2014/08/18

ぼっこれあんにゃ

4
○軍事素人の私には難しかった。でも、著者の熱い気持ちが心地よい、右。主に第二次世界大戦時、帝国海軍が如何に潜水艦の運用を間違ったのかということを説く内容ですが、その悪弊が今の海上自衛隊に引き継がれ、抑止力としての力を失っていると警鐘を鳴らしています。本文より「自衛隊を含め軍隊というものは、自国に対する武力攻撃、すなわち直接侵略を実力をもって阻止し、国家の安全を保証するためにある」「海軍とは国防のため制海を争うものであり、経海侵攻を企てる敵海上勢力の海洋使用を拒否して侵攻を阻止するものでなくてはならない」2012/07/16

Yasuhisa Ogura

3
著者は、元海上自衛官で潜水艦の艦長。空母やイージス艦と異なり派手さはないが、潜水艦は日本の安全保障にとって非常に重要な存在であると思う。旧日本軍の潜水艦作戦について概説したうえで、「失敗であった」とバッサリ結論付ける。その理由は、潜水艦の最大の武器である隠密性を無視した命令が多すぎたということである(定時の無線連絡や頻繁な配備場所の変更など)。後半では、海上自衛隊における潜水艦の取り扱いの不当性を訴えることから始まり、海上自衛隊全体の批判を展開する。潜水艦という特殊な分野の専門家の意見だけに、非常に興味深2012/11/11

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