出版社内容情報
人は誰でも同じような失敗をする.それは事実であり,尼崎の脱線事故など,これからも失敗はくりかえされ,絶えることがないかのようである./これであきらめてしまっては,人類の名に恥じる.そこで,新しい学問として失敗学が生まれたわけであるが,これまでの失敗学は,啓蒙的であり,実践的ではなかった.本書は,より洗練された失敗学として,失敗を予測する能力を身につけることを目指す.そのために,古今東西からあらゆる失敗事例をあつめ,そのメカニズムを徹底的に解剖し,結果として,41の原因に分類することができた./まずは本書を手に取り,開いたページのどこからでも読んでみてください.
■目次 第1部「失敗百選」とは何か/第2部「失敗百選」を学ぶ(タイタニック号の沈没,美浜原発の冷却水漏れ,カネミ油症事件,スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発,自動販売機で下敷き,「ポケモン」パニック,タコマ橋の崩壊,スーパーカミオカンデの連鎖破壊,青函連絡船洞爺丸の沈没,コンコルドの墜落,歌舞伎町雑居ビル火災,ニューヨーク世界貿易センタービル崩壊,チェルノブイリ原発の爆発,雪印製品の集団食中毒,狂牛病,スリーマイル島原発の破壊,信楽高原鉄道の正面衝突,地下鉄サリン事件,など全178事例)
内容説明
たとえば、旅客機「コンコルド」の墜落と、歩いている人が空き缶やバナナの皮ですべってころぶことは、同じ原因の失敗です。これらが同じであることを納得していただくために、まず、すべての失敗が41の原因から起こることを示します。このたったの41の項目を頭にきちんと入れれば、過去の失敗をくりかえさずにすむのです。そして、ケーススタディとして、どこかで聞いたことのある有名な失敗(タイタニック号の沈没、歌舞伎町雑居ビル火災、ニューヨーク世界貿易センタービル崩壊、チェルノブイリ原発の爆発、信楽高原鉄道の正面衝突、地下鉄サリン事件、など全178事例)をとりあげ、その失敗のシナリオをきちんとあかします。
目次
第1部 「失敗百選」とは何か(なぜ「失敗百選」を作ろうと思ったのか―なぜ「失敗ライブラリー」だけでは不十分なのか;「失敗百選」をどうやって作ったか、その知識の特徴は何か、そして利用効果があったのか)
第2部 「失敗百選」を学ぶ(技術的な要因で、しかも機械分野のエンジニアが少なくとも最初に考えるべき力学的な設計要因;技術的な要因だが、普通は副次的に考えている使用時の設計要因;技術的な要因だが、人間や組織との関係が強い設計要因;技術だけではどうしようもない組織的な要因)
著者等紹介
中尾政之[ナカオマサユキ]
1983年東京大学大学院工学系研究科産業機械工学専攻修士課程修了。日立金属(株)入社。1989年HMT Technology Corp.に出向。1991年東京大学で博士(工学)を取得。1992年東京大学大学院工学系研究科産業機械工学専攻助教授。2001年東京大学大学院工学系研究科総合研究機構教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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