内容説明
現代技術を拓いた量子力学は根源的な難問をわれわれに突きつけた。コペンハーゲン解釈、多世界解釈からジラルディ‐リミニ‐ウェーバー理論まで、「量子力学の解釈問題」のすべて。
目次
第1章 量子力学のパラドクス
第2章 実在主義的な解釈
第3章 観測の理論
第4章 経験主義的な解釈
エピローグ
付録A NOGO定理
付録B 全体論的なアンサンブル解釈
著者等紹介
白井仁人[シライヒサト]
1965年生まれ。名古屋大学理学部物理学科卒業。名古屋大学理学研究科博士課程修了。博士(理学)。宇宙科学研究所(現JAXA)、小山工業高等専門学校、名古屋大学を経て、現在、一関工業高等専門学校教授。地球電磁気・地球惑星圏学会大林賞受賞、国立高専機構理事長奨励賞受賞、科学基礎論学会評議員など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mft
3
いろいろな量子力学の解釈を分類して提示してくれるありがたい本。パイロット波とか多世界解釈とかは聞いたことがあったが、無矛盾歴史アプローチとか交流解釈とか聞いたことがないものもいくつもあった。実在主義系は古典力学的な「実在」に未練がありすぎるように個人的には感じるので、著者の推すアンサンブル解釈も乗る気になれない2022/08/21
Akiro OUED
3
全体論的なアンサンブル解釈に一票。時空の不気味な遠隔作用も認めるし、因果という観念も放棄する。モノが実在することの代償は大きい。結局、量子力学を解釈するためのコトバが未完成なんだな。歌人に二重スリット実験を見せて、詩に詠ませるといいコトバが見つかるかもね。量子論は文学だ。2022/07/27
Sunekosuring
0
スゴ本の人に釣られて読んだけど、いや数学に圧倒されてまったく読めてないけど、量子力学で何がみな解決できずに困っているのか、という整理とそれに超人的に頭が良い人がたばになってあれこれ考えても正解が分からんということが分かったので、僕も分からんで当然なのだな。2023/01/10
吉田恭
0
自分は今のところ、統計力学のアンサンブルモデルは計算の便法だが量子力学の波動関数(純粋状態)には何らかの実体があると思いたい派。2022/11/11