出版社内容情報
「自然法則は可逆なのに,なぜ現実は非可逆なのか?」という,可逆性の逆説として知られる疑問に,独自の見解を与えた名著.
時間可逆性,コンピュータシミュレーション,カオス/物理と数値計算における時間可逆性/ギブスの統計力学/人生は非可逆だ/微視的なコンピュータシミュレーション/他全9章
内容説明
時間は、なぜ過去から未来に向かって流れるのか?自然法則は可逆なのに、なぜ現実は非可逆なのか?この疑問は、ボルツマンからプリゴジンまで、多くの科学者・哲学者を悩ませてきた。能勢・フーバー力学(温度力学)で知られるフーバー先生が、この問いに独創的な答を与える。温度力学によるコンピュータシミュレーションにより、自然に隠されたカオスとフラクタル性こそ、時間の矢を引き絞る弓であることがわかったのだ。
目次
第1章 時間可逆性、コンピュータシミュレーション、カオス
第2章 物理と数値計算における時間可逆性
第3章 ギブスの統計力学
第4章 人生は非可逆だ
第5章 微視的なコンピュータシミュレーション
第6章 巨視的なコンピュータシミュレーション
第7章 カオス、リャプノフ不安定性、フラクタル
第8章 可逆性の逆説を解く
第9章 あとがき―研究の展望
著者等紹介
フーバー,ウィリアム・グラハム[フーバー,ウィリアムグラハム][Hoover,William Graham]
1936年4月18日ボストン生まれ。1961年に大学を卒業、化学修士号と博士号をミシガン大学から受ける。デューク大学で一年間Jacques Poirierと働いた後、カリフォルニアにある兵器研究所であるローレンスリバモア国立研究所に所属する物理学者となる。過去25年間カリフォルニア大学デービス校教員を兼任して、応用科学科でさまざまな大学院科目を教えた。1994年に早期退職。二百本以上の論文を著したが、そのほとんどは統計力学の分野である
志田晃一郎[シダコウイチロウ]
1964年横浜に生まれる。1987年慶応義塾大学理工学部物理学科卒業。1992年博士(工学)。1995年武蔵工業大学講師、現在に至る。1996‐1997年カリフォルニア大学デービス校リバモア校舎に滞在
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