内容説明
私の一日は、朝起きて顔を洗うとき、石鹸で義眼をていねいに洗うことからはじまります―。四十代半ばでガンを宣告され、左の眼球を摘出した著者は、友人や家族の励ましを受け、死と向き合って初めて、自分の今までの生き方についても、異なる思いをめぐらせるようになる。人気絶頂の著者が、生きることの意味を見つめ直した、感動のエッセイ。
目次
第1章 見えるもの、見えないもの(左目を失って;世界はこんなにも変わる ほか)
第2章 この人たちがいてくれて(友達のありがたさがわかった;「縦糸の友達」という意味 ほか)
第3章 人の美しさについて(美しさを追求する仕事がしたくて;いまの仕事への芽生え ほか)
第4章 死と向き合って(死に対する恐怖感のない理由;母が死んでしまったとき ほか)
著者等紹介
ピーコ[ピーコ]
1945(昭和20)年横浜生まれ。タレント、ファッション評論家。高校卒業後、アパレル会社、文化服装学院を経て、衣装デザイナーとして芸能界で働くようになる。1975年、双子の弟おすぎと共にラジオで「おすぎとピーコ」としてデビュー。以来テレビ、新聞、雑誌などで活躍、辛らつで率直な語り口が世代を超えて支持を集めている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつき
14
ガンを告知されてから、自分を見つめ直し、過去とこれからについて考え直す事が出来た事、なかなか出来るものではないし、それをどうして荘思えたのか素直に書いてあり、それを再度考えて欲しいと教えてくれている素晴らしい一冊でした。2015/07/22
☆よいこ
8
第一章:見えるもの、見えないもの 第二章:この人たちがいてくれて 第三章:人の美しさについて 第四章:死と向き合って(単行本1999年、文庫2002年発行)ガンで左目を摘出したピーコさんの自伝。エッセイ。語り口が丁寧で好感が持てる文章。中学校の先生が道徳の授業で紹介したいと言われたため取り寄せてみた。おすぎさんは地元テレビでよく見るけど、そうかこんな人だったんだ。2018/01/11
くるちゃん
8
人として大切なものは何か。外側を飾るだけでなく内側から輝くものを身につけたいと気持ちが引き締まりました。2013/01/09
いっぽ
6
もう少し病気や闘病のことを詳しく書いてあるのかと思ったら、わりとあっさり。それよりもガンとわかってからの周囲の人々の素晴らしさを書いている。永六輔ってすごい。吉行和子、かわいい。巻末のおすぎの解説?にぐっときます。2014/10/25
tomoe
6
目の癌を告知され、死と向き合ったピーコさんは言う。「ずっと自分の為に生きてきたけど、自分の満足だけで生きているなんて何と愚かな事だろう」と。美輪さんの「神を信じるという事は神の様になりたいと思って生きる事。神を信じたら救われるのではなく、神の様になって人の為に行きたいというのが本当に神を信じるという事」という言葉と共にとても心に残った。2010/03/16