文学における超自然の恐怖

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784054037472
  • NDC分類 938
  • Cコード C0098

内容説明

人類の最も古く最も強烈な感情は恐怖である!怪奇幻想文学の系譜を解析した代表的論考。全集未収録の詩篇、小品、未定稿を併収。

目次

文学における超自然の恐怖
ダンセイニ卿とその著作
惑星間旅行小説の執筆に関する覚書
拾遺編(ユゴスの黴;彼方からの挑戦;記憶;忘却より;月がもたらすもの;世紀の挑戦;インスマスを覆う影 未定稿)
資料編
作品解題(大瀧啓裕)

著者等紹介

ラヴクラフト,H.P.[ラヴクラフト,H.P.][Lovecraft,Howard Phillips]
1890‐1937。アメリカの小説家。ロード・アイランド州プロヴィデンス生まれ。マイナーな雑誌を発表舞台にしていたため、一部の読者に支持されるにとどまっていたが、死後に作品集が刊行されてようやく真価が認められ、エドガー・アラン・ポウとならぶアメリカ怪奇幻想文学の巨星と目されるようになった

大瀧啓裕[オオタキケイスケ]
1952年、大阪市生まれ。St.Andrew’s Schoolおよび神戸市外国語大学卒業後、東洋工業(現マツダ)総合企画室勤務を経て、翻訳家として独立、現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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コットン

76
SHIGERUさんのオススメ本で怪奇・幻想・SFの評論と自作品を収録。まず、表題作の評論が本の半分を占め、ラヴクラフトが自分なりに怪奇・幻想の作家たちへの体系的なアプローチをしていることに意外な気がすると同時に素晴らしいと感じる。また、ダンセイニ卿についての章もあり、個人としてのダンセイニ卿の実像(アイルランドきっての射撃の名手、溺れかけた者を助けながら称賛する群衆に名を明かさない等)にも迫っていて興味深い。『ラヴクラフト全集』の訳者が訳しているので末尾の訳者による作品解題ではラヴクラフト愛を感じる。2020/07/19

paluko

6
ラヴクラフト自身が恐怖小説のファンでありものすごく楽しんで、愛して読んでいたことが伝わってくる一冊。しかしエドガー・アラン・「ポウ」とか「ラフカーディオウ」・ハーンとか、正確な原音再現に対する訳者のこだわりのために一般とは相当違うカタカナ表記の固有名詞が多いのがちょっと気になります。ソネット「ユゴスの黴」、リレー小説「彼方からの挑戦」、掌編「記憶」「忘却より」「月がもたらすもの」「世紀の決戦」(←おふざけ)そして未定稿「インスマウスを覆う影」を収録。資料編にはラヴクラフトの作品掲載誌の貴重な書影を掲載。2019/10/29

スターライト

4
ラヴクラフトの評論3篇と、小説7篇の小説を収めた本。「文学における超自然の恐怖」は、ゴシック小説を中心とした恐怖小説の歴史を紐解きながら、そのガイドにもなっている一篇。「惑星間旅行小説の執筆に関する覚書」は、宇宙を舞台とするSFを書くに際しての、陥ってはならない創作作法を述べたもの。随所に、スペオペに対する痛烈な指摘がビシバシ。大瀧氏の横文字の表記法は恣意的で、不親切。既訳作品の邦題を変える必要があるのか。2010/02/15

unknown

3
ラヴクラフト氏の恐怖小説評論を中心とした1冊。氏の思い込みやハッタリで書いている部分もあるものの、魅力的な恐怖小説ガイドとして面白く読める。数々の作家への言及には、小泉八雲も挙がっていて(「―数多くのロースト・ビーフ型の作家には不可能な幻想をつくりだす」)個人的に興味深かった。高密度な情報量を孕んだ36の連作十四行詩編「ユゴスの黴」、バッサリ感溢れるSF論「惑星間旅行小説の執筆に関する覚書」、ナンセンスと皮肉がマシンガンの如く飛び出す「世紀の決戦」(R.H.バーロウとの共作)も見逃せない。2011/10/14

保山ひャン

2
エッセイ、詩、合作小説、「インスマスを覆う影」未定稿、そして関連書籍、雑誌の書影が掲載されている。「惑星間旅行小説の執筆に関する覚書」では「先駆者は金銭的見返りや、職業的評価、くずをむさぼり読んで好みをひどく歪められている大多数の読者の励ましなしに苦労するという心構えをつけなくてはならない」と書いているし、「ダンセイニ卿とその著作」の「ダンセイニ卿についてこれまでさしたる評価がなされていない事実は、人類の生来の愚かさに関する面白い注釈になっている」以下の記述など訳者の解題の書きっぷりに共通していた。2016/02/15

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