内容説明
世界の屋根、チベットの国際関係史。ラマ教の政教合一制度下のダライ・ラマ制の形成と中国の統治(チュユン関係)。閉鎖されてきた秘境の探検。インドを支配した英国のラサ占領とロシアの干渉。ダライ・ラマの「独立」宣言、そして平和解放と三大領主の抵抗および亡命政府の樹立。米国の干渉とダライ・ラマの外交活動。五項目平和構想とストラスブール提案、さらに、亡命政府と中国中央との交渉。いまや民主化と経済開発が進み一変したチベットは、かつて一~三カ月以上かかった北京とラサが直通列車50時間で結ばれるチベットの現状。法王制とグレート・ゲームと改革開放下にあるチベットの姿を的確に伝える。【資料】主要資料を完全に所収。他に、チベット文献1600点を網羅。チベット年表1300項目、人民日報の主要記事リスト。事項・人名・寺院・地名索引を付す。
目次
1 チベット国際関係史の構図(チベット政治の特質と版図;吐蕃王国と中国、政教合一統治の形成;満・蒙民族のチベット政策 ほか)
2 新中国とチベット(チベットの平和解放と米国のチベット工作;ラサ反乱と14世ダライ・ラマのインド亡命;改革下のチベット;チベット亡命政府と中印国境紛争;チベット問題とチベット亡命政府の対外活動;チベットの展望)
3 国際的争点としてのチベット問題(チベット政治の波紋)
資料
著者等紹介
浦野起央[ウラノタツオ]
1955年、日本大学法学部卒業。政治学博士。日本アフリカ学会理事、日本国際政治学会理事、アジア政経学会理事、国際法学会理事、日本平和学会理事を歴任。日本大学名誉教授、北京大学客座教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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