クジラの消えた日

クジラの消えた日

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  • サイズ B6判/ページ数 184p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784900845633
  • NDC分類 983
  • Cコード C0097

内容説明

「文字をもたない民族」が生んだ奇跡の作家が贈る、シベリア文学の最高傑作!!極寒の大地に語り継がれる、‘大いなる愛’の伝説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

二戸・カルピンチョ

25
ツンドラの美しさ優しさ厳しさ、瑞々しい自然の形と色彩が、絶えず文章を飾っていて、不思議な感覚だ。クジラを信仰する少数民族、クジラが人間の祖であるという事を若者は信じなくなった。いくつもの歳を重ねても死なない老婆を軸に、人の業と愛について語られていく。自然を敬わず摂理を変えてしまう人間の世界に未来はないという事なのか。神は自然の中には無く、そんなもの人が不安の中から造ったものに過ぎない、という科白にあっと思う。静かな夜、ひとりでじっくりむきあえば、チュクチ半島の空気を吸った気分になれる。2021/10/30

まこ

6
1930年まで文字を持たなかった少数民族チュクチ人の作者による、チュクチ族に伝わる創世神話。「神」という存在は一切出てこない。描かれているのはツンドラの厳しくも美しい自然と、人と鯨の素朴で暖かな営みと、大いなる愛。一番親しみを感じる創世神話だった。それだけに、終盤の人間の身勝手な振る舞いはちょっと直視できなかった。2018/08/25

Melotte 22

5
シベリア、少数民族の創世神話。そう書くと、仰々しく聞こえるけれど、描かれているのは一貫して『愛』であり、教訓に充ちた寓話でもある。人、動物、自然。全てのものを慈しむ気持ち。それを実直に描いている。読み終わったあと、不思議な気持ちになった。言葉では言い表せない不思議な気持ち。それはまるで、黎明に降り立ったような気持ち。巡りあえて良かった。大切な一冊。一人でも多くの人に読んでもらいたい一冊だ。2015/05/20

borug

4
読みやすくて名前で混乱しないシベリア版『百年の孤独』。2014/10/05

yojohon

3
シベリアの果てチュクチ族。著者がこの民族からでたはじめての作家。なぜなら、1930年代まで文字をもたない民族だったから。民族に伝わる創世神話を元にした物語で、クジラが人間の祖先であり、兄弟であるという話。捕鯨国ジャパンにとっては肩身の狭い内容だけど、神秘的で自然の描写もキレイ。最後のオチはタイトルまんまで、みえみえだけど。「大いなる愛」を語るところが、コエーリョにちょっと似てるな。2010/02/08

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