内容説明
愛した人々の叫びを伝えるために私は戦い、生き残った。中国共産党の侵略に抵抗すべく、地下組織に加わったアデ。拷問、レイプ、奴隷労働、飢餓―彼女を待ち受けていたのは二十七年間の壮絶な獄中生活だった。チベットの監獄の生き証人が語る衝撃の事実。アメリカで話題となったノンフィクションの最高傑作。
目次
第1部 悲しみの歳月の前(野の花の中でたわむれていた日々;ニャロンより ほか)
第2部 侵略と投獄(中国共産党の出現;忘れられた約束 ほか)
第3部 湖の睡蓮(石に水を注ぐ;再会)
第4部 静まらない声(開放化;自由 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
305
彼女アデは、1957年に逮捕されてから実に21年間を劣悪な監獄で重労働と慢性的な飢餓に耐え、生き延びた。逮捕された当時、彼女には2歳の男の子と、生まれて間もない女のことがいた。夫はその半年前に殺害されている。逮捕の容疑は、彼女が侵略してきた中国軍に対するパルティザンの連絡員を務めていたこと。チベットに道路を通し(中国軍および漢民族が進出するため)、チベットの生産体系を、文化を、宗教をことごとく破壊し、あわよくば殲滅を図ろうとする(少なくてもチベットの側からすればそうだ)中国軍。本書は、獄中にいながら⇒ 2023/05/28