内容説明
われわれはまだ生きている。来たるべきわれらの思考の誕生にふさわしいささやかなものだけを携えて。鳥となって、自分の無から存在を引っ掴む。繰り返される筆舌に尽しがたい惨事。それを記録する詩人ダルウィーシュ。パレスチナからのこの声は記憶されねばならない。
目次
道のなかにさらなる道
この大地にあって
また野蛮人がやってくる
死んでいるわたしが好き
山裾の上、海よりも高く、彼らは眠った
あそこに夜が
アデンに行った
敵が遠ざかると
アナット変幻
イムルウ・ル・カイスの、言葉によらない論争
異邦人に馬を
壁に描く
著者等紹介
ダルウィーシュ,マフムード[ダルウィーシュ,マフムード]
1942年パレスチナ生れ。イスラエルから亡命を重ね、現在はヨルダン川西岸ラッマラーに住む。70年ロータス賞受賞
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年生れ。詩人・批評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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「わたしはきみから生まれ、きみはわたしから生まれる、/ゆっくりと、ひどくゆっくりと、/わたしは君の軀から死者の指と、/死者のシャツのボタンと出生証明書を引き剝がす。/きみは自分の死者がエルサレムに宛てた手紙を引き剝がす。/われらは眼鏡の血を拭い、友よ/カフカを読み直し、/それから影の往来へ向けて窓を二つ開ける。//わが外側はわが内側。/冬の煙を信じてはならない。/まもなく四月はわれらが眠りから外に出る。/わが外側はわが内側。/彫像など放っておけ。/イラク娘は最初のアーモンドの花で服を着飾り、/自分の名前の2023/10/15
桜井晴也
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「われらの後にもホメロスは生まれてくれるのだろうか……万人のために、神話は扉を開いてくれるだろうか。」2011/09/18