感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
5
詩集。冒頭でダンテ『神曲』の地獄門の箇所を本歌取りしており、この一端からもこの詩がメカスにとっての再生の試みであることが予想される。人生の道程の半分を超えた彼は、自分自身が何者であるのかを「裸」で「初めの位置」に立ちながら問いている。外面的な事物は描かれず、ひたすらに彼の内面が、掘り起こされようとしている。変則的な改行と、単語の繰り返しはなめらかな黙読を妨げる。通常の文章としてしまえば、あっという間に語られてしまうだろうが、それは彼の思考の流れを再現してはいないのだろう。2013/10/17
umi
1
ぽつぽつと単語が繋がることなく一つずつ置かれている様そのものが、孤独と静寂とぽっかり空いた虚無のようなものを感じさせる詩集。徹底した静けさの中に置かれた言葉が心に響く