徹夜の塊
亡命文学論―徹夜の塊

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878934476
  • NDC分類 980.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ロシア・東欧文学を中心に、20世紀亡命文学の系譜と、亡命作家たちの肖像などを紹介しつつ、亡命文学の豊かな可能性を論じた、日本で初めての亡命文学論集。

内容説明

本書は、主としてロシア東欧の亡命作家をめぐって筆者がこの十数年にわたって書いてきた文章をまとめて再構成したものである。

目次

1 亡命の詩学(流謫の言語―亡命文学の栄光と悲惨;移民たちの天国と地獄;詩となってロシアに帰る―亡命ロシア小詩集 ほか)
2 越境のさまざまな形(バナナとレモンとシンガポールで―ヴェルチンスキーの伝説;亡命ロシア文化最後の花―ニーナ・ベルベーロワ;さまよえるロシア人―バレエ・リュス ほか)
3 境界をめぐって―越え行くものと回帰するもの(二つのマニフェスト;とどまる力と越えて行く流れ―ポスト共産主義時代の民族、亡命、そして文学;ロシア文学における「主流」と「非主流」―文学史の新たな「組み替え」を目指して ほか)

著者等紹介

沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年東京生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学、ハーヴァード大学スラヴ文学修士。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

41
「沼野充義〈徹夜の塊〉三部作完結記念トークイベント(付・ヌマヌマ夫婦放談」に参加するので、手に取った。 イベントは、沼野先生のお元気なご様子と恭子夫人との仲睦まじいやり取りが拝見できて、ほのぼのと「あったか〜い」催しだった。/ なぜか亡命作家に惹かれてしまう。 鄭義、高行健、黄翔などの中国からの亡命者にはじまり、ソルジェニツィン、ナボコフ、クンデラなどのロシア・東欧からの亡命者たち。 ひょっとすると、ラクダが砂漠にどうしようもなく惹かれてしまうように、やはり「異人」は亡命者に惹かれるのかも知れない。→2022/07/23

amanon

3
取り上げられている作家のうち、数名しか知らなかったが、それでもというか、だからこそ興味深く読めた。さすがロシア≒旧ソ連の作家の層は厚いということか。その一方でタイトルが示唆するように、亡命という重い現実を背負った作家達の姿に、想像が及ばない程の暗い翳りを感じてしまう。そして、ロシアが抱える複雑な民族や言語の問題…日本に生きる我々には、まさに想像が及ばない世界。しかし、そこに想像の光を差し込むのが文学の仕事ということなのかもしれない。そして、その仕事のためにも、文学部を無くしてはいけないと改めて痛感。2021/05/29

minamimi

3
立て続けにロシア関係の本を読んだので、頭の中の整理がついていない状況。ぼんやりと19世紀から20世紀のロシア文学とその周辺がわかってきた、ようなそうでもないような…。2020/07/24

my_you

2
亡命という現代的現象、これは我々を新しい場所へと導くのか、あるいは故国喪失の苦しみを負わせる苦難にすぎないのか? そのこたえは数多くの亡命者たちによって千差万別の回答があたえられる。が、著者自身はその中間、いまだなく、もはやない場所に身をおくことにこそ倫理を見いだしている。それにしてもなんという読書量か……2010/11/01

トム

1
軽いノリで読めた。結構古い本でびっくりした。沼野先生は高名な研究者であるのみならず時代の目撃者でもあったということを知った。2021/05/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/472564
  • ご注意事項