九龍城探訪 魔窟で暮らす人々―City of Darkness

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九龍城探訪 魔窟で暮らす人々―City of Darkness

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  • サイズ B5判/ページ数 215p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784872574234
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0072

出版社内容情報



グレッグ・ジラード[グレッグジラード]
著・文・その他

イアン・ランボット[イアンランボット]
著・文・その他

吉田一郎[ヨシダイチロウ]
監修

内容説明

“City of Darkness”こと九龍城は、大都市香港の中心に紛れもなく存在した。この高層スラムには、33,000もの人々が住んでいた。九龍城はどのように生まれたのか?これほど多くの人々が、これほど過酷な環境で生活できたのはなぜだったのか?取り壊しを前に、2人のカメラマンが4年間をかけて九龍城の住人たちに取材をし、仕事をする姿や部屋でくつろぐ様子をカメラに収めた。320枚の写真に32人へのインタビュー、さらにその歴史を収めた本書は、もはや存在しないこの特異なコミュニティを浮き彫りにした、比類なきドキュメンタリーである。

著者等紹介

ジラード,グレッグ[ジラード,グレッグ][Girard,Greg]
1955年カナダ、バンクーバー生まれ。1973年より写真を撮り始める。1985年に初の作品集が出版され、1987年にプロの写真家となる。アジア在住歴が長い。今では世界中の雑誌や新聞で活躍している

ランボット,イアン[ランボット,イアン][Lambot,Ian]
建築の教育を受けるが、職業とした期間は短い。模型製作者、写真家、グラフィック・デザイナーを経て、1988年にウォーターマーク・パブリケーションズを創設。建築やデザイン関係の書籍を出版している。1996年に香港を離れ、現在はイギリス在住

尾原美保[オハラミホ]
翻訳家。1971年生まれ。大阪府出身。大阪大学人間科学部卒業。編集者経験を活かし、現在は翻訳家として活躍。特に写真集、ビジュアルブックの翻訳を得意とする

吉田一郎[ヨシダイチロウ]
1963年生まれ。埼玉県出身。法政大学社会学部卒、早稲田大学大学院在籍中。香港中文大学に留学中の85年から86年にかけて、九龍城砦の14階で暮らす。元『香港ポスト』記者、『香港通信』編集長、『香港ビジネスポスト』編集長
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

56
香港返還時に取り壊された、世界随一の巨大高層スラムだった九龍城の写真集。27,000平米の区画に350棟の高層ビルが密集し、33,000人が生活していた。英国も中国も管理できず「亜細亜の混沌」を具現化した場所になっていて、その写真に圧倒される。現代都市計画研究による再開発都市の洗練された風景よりも、無秩序の極地として現れた九龍城の写真の方が美しいのはなぜなんだろう。現代の一流建築家が巨大資本や行政と手を結んでもできなかった「生命を宿して自立する都市」が奇跡的に成立していたからなんだろうな。2024/03/16

メタボン

35
☆☆☆☆ 九龍城には悪の巣窟のスラムというイメージを抱いていたが、住人にとっては意外と住みやすく愛着のある場所だったことがわかった。ただやはり衛生的には劣悪な環境だし、きれいな水を手に入れるのは大変だったようだ。丹念な取材により住人の生活が垣間見えたのが良かった。「クーロンズゲート」というゲームがあったが、あれは混沌として迷宮そのものだったな。2021/03/22

りー

34
非常に良い。非常に良い。写真も多いし九龍城に生きた人たちの声も、それこそ住人や担当の警察、元麻薬中毒者まで多岐にわたって収録されていて読み物としても満足のいく一冊だった。ただ製本が甘いので背割れしやすいのが難点。あまり開かないで読むことをおすすめする。2015/06/15

姉勤

32
かつて魔窟と呼ばれた、違法増設アパート群。香港返還前に取り壊しが決まった直前の1990年代の写真と取材。全てがスラム的猥雑な建物や住人ではなく、日本の団地のような一般的住人、医者や理髪、精肉加工や菓子などの、手工業的工場、はては教会が区画され共存していた。歴史もたどることができ、田園風景のなかの城郭、日本軍の占領による城の解体などを経て、労働力受け入れ施設が、やがてキャパに耐えきれずにツギハギのような住居群に変質した。今は公園と化した現地。 アンテナが林立する屋上で遊んでいた子供達はどうしているのかな。2015/11/15

Romi@いつも心に太陽を!

19
かつてここに暮らしていた人達の最後の記録。建て増しによる迷路のような通路を抜けると、小さな工場の数々が混在し、男たちは咥えタバコにランニング姿で立ち働いている。そこには歯科医や漢方売り、医者もいた。円卓を囲む家族の笑顔があった。乱立するアンテナだらけの屋上でやっと外の空気を楽しむ休日のひと時。ここで暮らした人々にとって、「九龍城」は彼らの町であり、密やかな王国。発展の波にのまれ、彼らの故郷はいまはあとかたもなく、公園としてその名を残すのみだ。2011/07/07

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