内容説明
横たわる死者たち、凄惨な「自爆テロ」、破壊された家屋、廃墟の映像と悲嘆の叫び…。パレスチナを外部の目はどのように捉え、世界に伝えたか。内部の目はどのように自らを見つめ、表象してきたか。映像化された作品を渉猟しつつ現地での長期滞在と人的交流を通して、戦渦に生きる人々の痛切の想いと日常を周密に描くパレスチナ・フィールドワーク。
目次
1 「テロ」の表象(ミュンヘンの灰、ハリウッドの黄金―スピルバーグの『ミュンヘン』への疑問;自爆攻撃に至るまでをめぐる二つのフィルム―『アルナの子どもたち』『パラダイス・ナウ』)
2 多元化するイスラエル(シオニズムと映画;メラーの裔―モロッコ系ユダヤ人をめぐる五つの断章;モハメッド・バクリの孤立)
3 パレスチナ映画とは何か(パレスチナ映画とは何か;ミシェル・クレイフィ―境界線を走る;ラシッド・マシュラウィ―待機の文法;エリア・スレイマン―消え行くものの記録)
4 戦争と映画(アラブ映画祭によせて;わたしはイラク映画をよく知らない;コソヴォで観る黒澤明;エミール・クストリッツァと奇跡)
5 パレスチナの表象と日本(若松孝二、足立正生とパレスチナ問題;日本映画とパレスチナ―『ガーダ』『OUT OF PLACE』『幽閉者』;岡本公三の肖像)
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学比較文化を学ぶ。ソウルの建国大学、コロンビア大学、ボローニャ大学などで客員教授・研究員を歴任し、現在は明治学院大学教授として映画史の教鞭をとっている。映画と文学を中心に、古典文学論からメディアとサブカルチャーまで広い領域で研究と批評活動を行なう。サントリー学芸賞、伊藤整文学賞、講談社エッセイ賞などを受賞。2004年に文化庁文化交流使としてイスラエルに派遣された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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