“意味”への抗い―メディエーションの文化政治学

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784796702560
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C1036

内容説明

マクルーハン、ベンヤミン、キットラー、ルーマンの再評価から「方法としてのメディア論」を模索するとともに、戦前期の日本映画からJポップの歌詞にいたる具体例を通してメディアの不透明な「媒介作用」の実相に迫る。

目次

Introduction メディア論の/という賭金
第1部 メディエーションの理論(観察者としての受け手;“意味”への抗い―中井正一の「媒介」概念をめぐって;ヴァルター・ベンヤミン 反メディア論的省察―「メディア論」の文体をめぐって;リアリティ・ワールドへようこそ―リアリティ・テレビの現実性;RE‐PLICATION複製―レプリカはアウラの衣を折り畳み、喪失の夢を見る)
第2部 メディエーションの現場(ポピュラー音楽にとって歌詞とは何か―歌詞をめぐる言説の修辞/政治学;引用学―リファーする/されることの社会学;“キノ・グラース”の政治学―日本‐戦前映画における身体・知・権力;声の消長―徳川夢声からトーキーへ)

著者等紹介

北田暁大[キタダアキヒロ]
1971年神奈川県生まれ。東京大学大学院人文社会研究科博士課程単位取得退学。専攻は理論社会学、メディア史。現在、東京大学大学院情報学環助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

むぎ

2
透明な意味交換というコミュニケーションを疑い、コミュニケーションが被っている「汚染」そのものに向き合う。そしてその営みは、いわゆる〈メディア論〉という〈物質〉(テレビなど)に関するメタ言説をナナメから見ていくことを恐れない作業でもある…。30-36pのシャルチエ論だけでなく、歌詞や初期映画や引用など具体的な話も楽しんで読めた。10年以上も前の本だけど、こんなに手際よく「媒介すること」について整理してくださったとは。簡単な内容ではないけど、わかりにくくはない、すごい文体。本当にありがたいです。また必ず読む。2018/09/03

Ecriture

2
タイトルは『<意味>への抗いと馴致』の方がふさわしいでしょ。本当に良くできた一冊。理論的にかっちり固める所は固めてくるし、抜く所は抜いてくる。本の構成はかくあるべしだね。身体を投企し、協働する場としての映画。そしてイデオロギー装置としての映画。「である」のメディア論を回避しようぜ。2009/03/30

mainasushikou

1
社会学者北田暁大によるメディア論関連の論文集。論文集のため主題は多岐に渡るが、全体を通しての印象ではメディアという「場」−「メディアを通して」ではなく「メディアにおける」−を重視するメディア論を展開していた。2010/12/15

anti

0
歌詞批評の理論化、ルーマンのコミュニケーション理論とメディア論、中井正一とマクルーハンの対比など、今読むべき本。素晴らしかった。新たなメディアが生まれると、身体のありかたが変化し、個人は群集へと溶け込んでいくが、横のつながりはいかにして生まれるもんなんかね?2018/01/05

あーさー

0
受験生時代に読んだ作品。2004/11/12

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