ホタル帰る―特攻隊員と母トメと娘礼子

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794210609
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

鹿児島県知覧の特攻基地の近くで軍の指定食堂を営んでいたトメは、母のように隊員の世話をした。ここから、いくつもの感動的な物語が生まれた。この本は、トメの娘が自分の目で見た母と特攻隊員の触れ合いを描いた作品。

目次

ホタル帰る 戦中篇(知覧;少年飛行兵;特攻始まる;群像 ほか)
ホタル帰る 戦後篇(アメリカ兵の母;人類の母;観音像建立;日はまた沈む)

著者等紹介

赤羽礼子[アカバネレイコ]
昭和5年(1930)鹿児島県知覧生まれ。20年2月、県立知覧高等女学校3年進級を前にして、勤労動員で知覧の特攻基地へ。隊員の世話をする。動員解除後は母トメのもとで隊員たちの世話をする。31年東京服飾専門学校師範科卒業。教師となる。34年赤羽茂一と結婚。二児の母に。45年、新宿に元特攻隊員が集まる場所として酒亭“薩摩おごじょ”を開店

石井宏[イシイヒロシ]
音楽評論家。昭和5年(1930年)神奈川生まれ。19年、新潟地方航空機乗員養成所本科6期生となる。終戦後旧制湘南中学校、旧制静岡高等学校をへて、東京大学文学部美学科、ならびにフランス文学科を卒業。日本楽器(現ヤマハ)、TBSを経てフリーに。音楽関係の著書、訳書多数
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感想・レビュー

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Lara

83
旧日本空軍の知覧飛行場に在った、「富屋食堂」の母・鳥浜トメ、娘・礼子が語る、特攻隊員達とのエピソード。若干20歳程の若者達が、お国のためと戦争の犠牲になった。出撃直前でも、その明るく、屈託のない様は、涙なくして読めません。特攻隊員には朝鮮半島出身者も居られた。鳥浜トメ母娘は、私財をなげうって特攻隊員を見送った。頭が下がります。2020/04/10

レアル

61
冨屋食堂を営むトメさんと特攻隊員との物語。特攻隊員へのトメさんの愛情、そして母の様に慕う特攻隊員の交流に心打たれ涙なくして読めなかったこの本。また終戦後のアメリカ兵たちに対してもやさしく対応できるこの心意気。頭が下がる!の一言に尽きる。戦争がなければどんな人でもただの人間。「ホタル帰る」の物語よりもトメさんの人柄と心意気に惹かれたそんな本だった。2017/08/30

shincha

42
実話には小説にはない重さがある。写真があり、手紙の内容が載っている。18歳から20歳くらいの若者たちが、日本の為、家族の為に散っていった。冒頭から最後まで、涙せず読むことは不可能。このころの若者たちと自分も含め、戦後生まれの人間との差の激しさ、18歳で大人、片や50代、60代でも子供過ぎる精神性。子供のままでいられるということが平和ということなのか…。靖国神社の遊就館でも涙と鼻水でハンドタオルがぐしゃぐしゃになったが、知覧にも必ず詣でたいと強く思った一冊となった。2023/07/28

まさまま

30
【特攻隊】の皆さんは生まれた時から戦士ではないのです。勤勉で故郷の家族を慕う心優しい青年の姿に涙があふれてボロボロになりました。若き隊員たちにとっ て、食堂の存在とトメさんの真心がどれだけ安らぎを与えていたことでしょう。戦争のむごさと生きた証がくっきりと浮かびあがる1冊です。2023/08/24

扉のこちら側

22
初読。特攻隊の少年達の希望に応えるため、軍からの配給品以外の食材を入手、そのために私財をなげうった「富屋食堂」の島浜トメさん。膨大な数の特攻隊員一人ひとりを見送り、その家族へ手紙を書き続けたという。過去の帰結に生きる者として心に刻みたい。2012/07/23

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