非国民文学論

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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787292520
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「非国民文学」とは何か。近代日本が成立して登場した「国民」という概念を前提に、「国民ではない」と見なされた文学者を取り上げて、作品と生きざまを検証する。



「非国民」の概念を身体性と精神性の双方から考察するため、「国立療養所」としてのハンセン病療養所に着目して、「国立」と「非国民」とを検討する。

戦時下では身体的に「非国民」とされた療養者が、精神的には総力戦を見守る「国民」の立場にもあったという逆説的な短歌を紹介する。

リアリティーあふれる闘病歌が高く評価されたが、その歌人の内面はアンチリアリズム志向だったという逆説的な作品を、2・26事件歌もあわせて例証する。



さらに、金子光晴の家族詩集と丸谷才一の小説も素材にし、戦時下に「徴兵忌避」を選んで身体的自由を得ようとした男性が、戦中も戦後も定住できずに、むしろ身体的不自由を負うことになったという逆説的な展開を解明する。



総動員体制から排除されて「非国民」とレッテルを貼られた文学者の精神の自由に光を当てる。



【目次】

第1部 非国民文学論



序 章 いのちの回復

第1章 〈国民〉を照射する生――ハンセン病療養者

第2章 〈幻視〉という生――明石海人

第3章 〈漂流〉という生――『詩集 三人』と『笹まくら』

終 章 パラドクシカルな〈国民〉



第2部 〈歌聖〉と〈女こども〉



第1章 明治天皇御製をめぐる一九四〇年前後(昭和十年代)

第2章 仕遂げて死なむ――金子文子と石川啄木

内容説明

「帝国臣民タル男子」の義務である兵役を拒まれた非国民―徴兵検査で丙種合格になった作家、ハンセン病のために徴兵されなかった病者、さまざまな手段で徴兵を拒否した者。戦時下の非国民の短歌や小説を解読して「地面の底が抜けた」疎外感と自己喪失感の表現、そこから生じる逆説的な国民意識をたどる。

目次

第1部 非国民文学論(いのちの回復;“国民”を照射する生―ハンセン病療養者;“幻視”という生―明石海人;“漂流”という生―『詩集三人』と『笹まくら』;パラドクシカルな“国民”)
第2部 “歌聖”と“女こども”(明治天皇御製をめぐる一九四〇年前後(昭和十年代)
仕遂げて死なむ―金子文子と石川啄木)

著者等紹介

田中綾[タナカアヤ]
1970年、北海道生まれ。北海道大学文学部卒業、北海学園大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。北海学園大学人文学部教授、三浦綾子記念文学館館長。専攻は日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ロータス

1
ハンセン病患者を中心に、戦争に徴集されなかった人、自ら徴集から逃れた文学者を「非国民」と位置づけ、その作品に現れた恥や罪の意識を分析した本。戦争に参加しないことは罪でも恥でもなく、むしろその逆だが「国民」からの敵意や蔑みが「非国民意識」を生み出したのだとすれば、それは現代の「日本を愛する普通の日本人」を自称する人たちによるヘイトスピーチ、ヘイトクライムが生み出しているものと同じだ。ゆえに本書がいま刊行されたのだろう。自首や自殺を拒み、生き続けることで差別に抗議した「非国民」は歴史をありのままに示している。2020/06/13

隠者

0
まず思うのは平和な時代に健康な生活ができると言うのが物凄い幸せと言うこと。戦争徴収されなかった人の思いは当時の軍部意識を鑑みればそれが国民へと伝播して~と理解できる。そういう時代と一括りにするのは簡単だけど忘れてはいけない事実だ。今現在は愛国心を語って好き勝手してる人たちへ怒りを露わにするとヘイトスピーチだなんだと言われたりとおかしな状況になっているだけに余計色々と考えさせられる。2020/07/31

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