中流の力―すべては“立っち”に始まった

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中流の力―すべては“立っち”に始まった

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787291868
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

環境問題や経済格差は悪化をたどり、いまや地球は危機に瀕している。この状況の原因を人類の直立二足歩行に求め、ギリシャ神話や中世日本の歴史にかつて存在した真の「中流階級」の痕跡を探り出し、危機的時代への処方箋を提示する。

はじめに

第1部 健全な〈立っち〉と脳の暴走的進化

 第1章 中流階級と〈知足少欲〉
  垂直志向の文化と水平志向の文化
  〈立っち〉神話
  自然と知足少欲
  アメリカの自然
  グローバル化と日本人の〈知足少欲〉
  江戸時代の中流階級と〈知足〉
  〈知足〉と平常心
  鴎外と〈永遠の不平家〉
  人間は〈生活を作るサル〉である
  炉の女神の求心力と無償の家事労働
  〈濡れ落ち葉族〉と家事

 第2章 品位ある直立と武士道
  〈身を立てる〉ということ
  健全な〈立っち〉
  老子の宇宙と武士道
  過剰な〈立っち〉
  子宮の病と〈ヨーガ〉――亀を手本にして
  ミドル・コスモス
  生命は〈立ち止まりながら、流れている〉
  ヨーガのたどり着いた〈生命の鼓動〉
  生態系のなかに顕れる浄土

 第3章 脳の暴走的進化と負のフィードバックシステム
  ヒトはなぜ〈立っち〉したのか
  目と手の結び付きと脳の暴走的進化
  大脳の下僕になった動物器官
  進化と負のフィードバックシステム
  〈立っち〉が放棄したフィードバックシステム

 第4章 〈立っち〉を忘れた人間――汝自身を知れ、人間は死すべきもの
  前頭葉と無限信仰
  前頭葉と過剰な〈立っち〉
  〈立っち〉を忘れた人間
  黄金時代の喪失と復活
  汝自身を知れ、人間は死すべきもの
  サバンナを支配しているフィードバックシステム

第2部 〈立っち〉は罪なのか恥なのか

 第1章 アダムとイヴの直立二足歩行と原罪
  すべては〈立っち〉に始まった
  アダムとイヴの物語――地の上を匍う生き物を支配せよ
  アダムとイヴの直立
  過剰な〈立っち〉と原罪
  アダムとイヴに始まる進歩史観

 第2章 プロメテウスの〈立っち〉と〈恥〉
  〈立っち〉を〈罪〉とみる文化
  プロメテウスの〈立っち〉
  〈恥を知れ!〉――プロメテウスの処罰
  〈立っち〉を〈恥〉とみる文化
  サルの胎児になったヒト――ネオテニーと適応力
  家族の誕生
  なつかしいということ――故郷が癒してくれる恥
  〈恥〉の根源性
  故郷喪失と恥知らずの社会

 第3章 人間は逆立ちした植物である――〈立っち〉を叱咤激励したプラトン
  母権制から父権制への移行と〈立っち〉
  〈立っち〉によって出現した〈上下の価値軸〉
  〈立っち〉を叱咤激励したプラトン――植物は逆立ちした人間である
  ハイデッガーの哲学と〈恥〉

 第4章 〈立っち〉と悪の誕生
  哲学はソクラテスの過剰な〈立っち〉に始まった
  悪とは〈過剰〉である
  悪の誕生

 第5章 ギリシャ悲劇と〈立っち〉
  悲劇序章――アキレウスと過剰な〈立っち〉
  アキレウスと〈タウマゼイン〉
  ソフォクレスと理性の世紀
  オイディプス王の悲劇――〈立っち〉に失敗した傷跡
  アンティゴネーの悲劇――よき思慮こそ、幸せの要諦なり
  炉への想いと健全な〈立っち〉

 第6章 〈ゆとり〉と〈遊びの聖域〉と〈グレーゾーン〉
  ドストエフスキーと〈汚物の下の黄金〉
  ホメオスタシスと〈ゆとり〉
  ホメオスタシスと仏性
  遊びの聖域――〈ホモ・ルーデンス〉
  飛躍と〈遊びの聖域〉
  〈ゆとり〉と〈遊びの聖域〉と〈グレーゾーン〉

第3部  日本民族が健全な〈立っち〉をした時代――頼朝と法然と中流の力

 第1章 法然と〈知足少欲〉
  〈知足少欲〉の源流
  阿弥陀仏の〈少欲知足〉
  法然と〈知足少欲〉

 第2章 頼朝の実現した安堵
  悪とは何か――日本の遊戯期
  ダイモンを抑えた法然の父親の遺言
  長しき武者
  〈在家〉の時代
  女性の黄金時代
  〈長しき人々〉と武士道
  頼朝の安堵状――旧里に帰住して安堵せしむべし
  封建双務契約と近代的精神

 第3章 日本に誕生した中流階級
  古代末期に誕生した〈サト〉
  里山とサトの継続
  サトの継続と日本人の死生観
  人間は自然に封建的動物である
  古老法
  古老のDNAと〈知足少欲〉――中流階級の力
  頼朝の説く〈思慮するすべ〉――佐々木氏への書簡
  国民が安堵を抱く国家には中流階級が存在する
  日本人の〈立っち〉の仕方
  念仏は法然を指南とする――浄土真宗は浄土宗である

 第4章 法然が実現した安堵
  法然の〈踊躍歓喜〉と日常生活
  法然の〈遊びの聖域〉と〈タウマゼイン〉
  甘糟太郎忠綱の最期
  法然の念仏と望郷
  法然の〈立っち〉観
  阿弥陀仏に恥じなさい
  恥知らず――法然と〈獅子身中の虫〉

 第5章 現代社会と〈知足少欲〉
  ほどほど族とバリバリ族
  中流崩壊と〈格差社会〉
  〈一億総中流〉の崩壊
  格差社会と不平等感の爆発
  〈立っち〉をしなくなった青少年
  現代社会と〈知足少欲〉



あとがき

内容説明

環境問題や経済格差は悪化をたどり、いまや地球は危機に瀕している。この状況の原因を人類の直立二足歩行に求め、ギリシャ神話や中世日本の歴史にかつて存在した真の「中流階級」の痕跡を探り出し、危機的時代への処方箋を提示する。

目次

第1部 健全な“立っち”と脳の暴走的進化(中流階級と“知足少欲”;品位ある直立と武士道;脳の暴走的進化と負のフィードバックシステム;“立っち”を忘れた人間―汝自身を知れ、人間は死すべきもの)
第2部 “立っち”は罪なのか恥なのか(アダムとイヴの直立二足歩行と原罪;プロメテウスの“立っち”と“恥”;人間は逆立ちした植物である―“立っち”を叱咤激励したプラトン;“立っち”と悪の誕生;ギリシャ悲劇と“立っち”;“ゆとり”と“遊びの聖域”と“グレーゾーン”)
第3部 日本民族が健全な“立っち”をした時代―頼朝と法然と中流の力(法然と“知足少欲”;頼朝の実現した安堵;日本に誕生した中流階級;法然が実現したアンド;現代社会と“知足少欲”)

著者等紹介

坂爪逸子[サカズメイツコ]
1942年生まれ。岐阜薬科大学卒業、京都大学大学院修士課程中退、佛教大学大学院博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。