出版社内容情報
宮沢賢治の「神話化」の過程で覆い隠されてきた賢治童話の戦略性と政治性を言語政策・教育問題との親和性という観点から浮き彫りにし、地方詩人から国民的な偉人へと変貌していくさまを宣伝と認知の過程から追跡した、既存の賢治像を根元から揺さぶる新視点。
まえがき
第1章 「グスコーブドリの伝記」と言語政策
第2章 「どんぐりと山猫」と大正期の教育――隠された教育ドラマを拓く
第3章 Making of 風の又三郎――文部省の戦略と映画教育
第4章 飛行と帝国主義――もう一つの又三郎
第5章 盛岡発・偉人のプロデュース――宮沢賢治を創った男たち
第6章 創られた賢治伝
あとがき
初出一覧
内容説明
宮沢賢治とは何者なのか?―賢治の「神話化」の過程で覆い隠されてきた賢治童話の戦略性と政治性を教育問題との親和性という観点から浮き彫りにし、地方詩人から国民的な偉人へと変貌していくさまを宣伝・認知の過程から追跡した、既存の賢治像を根元から揺さぶる新視点。
目次
第1章 「グスコーブドリの伝記」と言語政策
第2章 「どんぐりと山猫」と大正期の教育―隠された教育ドラマを拓く
第3章 Making of風の又三郎―文部省の戦略と映画教育
第4章 飛行と帝国主義―もう一つの又三郎
第5章 盛岡発・偉人のプロデュース―宮沢賢治を創った男たち
第6章 創られた賢治伝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
giant_nobita
3
第5章第6章で、著者は同時代の資料をふんだんに用い、無名のまま死んだ宮沢賢治がいかにして国民作家になったかを実証している。地方においては地元の新聞や賢治の会の宣伝の力が大きかった。中央では草野心平の勧めにより当時の文壇の有力者が賢治を知ったこと、賢治が地方詩人という色眼鏡で見られたこと、その生涯が「雨ニモマケズ」の詩によって理想化されたことが原因だという。第1章の「グスコーブドリの伝記」論は出色の出来。「方言と標準語」という観点から当時の教育事情にも触れつつ、新たなブドリ像を提示しており、おもしろかった。2014/10/20
kokada_jnet
2
賢治作品に組み込まれていた時代のバイアスを見出し、賢治死後の偉人化プロセスを検証。見事な神話崩し。2010/12/14
テディ
0
作者がツンデレ(違2006/06/26
よっちん
0
図書館2024/03/30