出版社内容情報
サブカルチャー雑誌の編集で一世を風靡して写真集も出版している著者が、ヴァルター・ベンヤミン、モーリス・メルロ=ポンティ、ロラン・バルトらの思索をたどり、雑誌や小説なども縦横に読み込んで、写真とそれを見ることの関係を解きほぐす。
そして、「盲人写真」を導きの糸に、写真が表現するものとは何なのか、それは記録なのか、撮る者の意識なのか、という本質的な問いを自身の経験も踏まえて考察する。加えて、「アレ・ブレ・ボケ」写真で衝撃を与えた中平卓馬をテコに「見ることの政治性」を問い直し、3・11後の写真と社会をおおう空気を読み解く。
哲学的な思考から思考へと軽やかに跳躍し、写真と見ることの迷宮に分け入る写真批評。
内容説明
盲人写真を導きの糸に、写真が表現するものとは何なのか、それは記録なのか、撮る者の意識なのか、という本質的な問いを自身の経験もふまえて考察する。加えて、「アレ・ブレ・ボケ」写真で衝撃を与えた中平卓馬をテコに「見ることの政治性」を問い直す。
目次
1 写真と哲学―外の発見(夢の鏡;始源への問い ほか)
2 写真私史―あるパラダイス(風に吹かれて;コンポラ写真と私 ほか)
3 戦後民主主義と写真(なぜ、中平卓馬か;木村伊兵衛と東松照明 ほか)
4 ベンヤミン読解(アウラの変容;仮象から遊戯へ ほか)
著者等紹介
潮田文[ウシオダブン]
1946年、東京都生まれ。早稲田大学理工学部機械科を経て多摩芸術学園映画科中退。1975年に村上寿美と結婚、89年に離婚(寿美は同年急逝)。職歴は、辰巳出版を経て、編集プロダクションのル・マルスに入社。この頃、ときどきグループ展に参加。ル・マルスを退社後、みのり書房に入社、「月刊OUT」の編集に携わったあと、南原四郎の編集名で“少女のための耽美派マガジン”「ALLAN」を創刊。その後、独立して雑誌「月光」を創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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