怪獣から読む戦後ポピュラー・カルチャー―特撮映画・SFジャンル形成史

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怪獣から読む戦後ポピュラー・カルチャー―特撮映画・SFジャンル形成史

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  • サイズ A5判/ページ数 286p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787273925
  • NDC分類 778.7
  • Cコード C0074

出版社内容情報

戦後日本のポピュラー・カルチャーは、たとえば『ゴジラ』が水爆実験を経て出現した怪獣だったように、社会に対する批評性をもつものでありえた。それこそ、文学や芸術といったメイン・カルチャーがそうであったのと同様に、だ。では、ポピュラー・カルチャーが内包していた政治性は、時代とともになぜ・どのように抜け落ちていき、現在にいたったのだろうか。



1950年代から80年代までの『ゴジラ』や『モスラ』などの特撮映画の歩みをたどって作品の内部に分け入り、並行して日本のSF史で転換点となった60年代・70年代のSF作品や文芸評論家の論争を分析する。



3・11後の文化状況、『パシフィック・リム』『GODZILLA ゴジラ』、そして『シン・ゴジラ』も射程に収め、戦後のポピュラー・カルチャーが社会的なものと距離を置くようになり、非政治的なジャンルとなったプロセスを特撮映画とSFの交差点から照らし出す。

凡例



序章 「非政治的」な領域としてのポピュラー・カルチャー

 1 『ヘタリア Axis Powers』をめぐる騒動から見えてくること

 2 本書の主題――怪獣・怪人からポピュラー・カルチャーを見る

 3 本書の方法――「ジャンル」への着目



第1章 『ゴジラ』をめぐる批評の力学――「平和への悲願」の意味

 1 『ゴジラ』を取り巻く映画たち

 2 『ゴジラ』と水爆実験

 3 「原爆映画」との比較から?――「センチメンタル」という批判

 4 「原爆映画」との比較から?――背景としての「逆コース」

 5 ありうべき『ゴジラ』――『G作品検討用台本』から



第2章 「空想科学映画」の射程――『空の大怪獣 ラドン』『地球防衛軍』

 1 「空想科学映画」という価値観

 2 「原爆文学」評価との関係から

 3 『地球防衛軍』と文明としての核エネルギー



第3章 現実の批判者としての怪獣・怪人――文学者の実践と「特撮映画」

 1 「特撮映画」と「正しい空想」

 2 幽霊と化け猫と怪獣

 3 「アヴァンギャルド的」特撮映画論の完成

 4 「第三次世界大戦前夜」における文学者の実践

 5 「発光妖精とモスラ」と安保闘争



第4章 SF規範をめぐる科学と政治――「SF(日本SF)」が切り捨てたもの

 1 「SF(日本SF)」史における一九六〇年代

 2 夢見られたユートピア

 3 規範としてのディストピア

 4 現在とは断絶した未来

 5 「クール」なSFと「未来学」



第5章 「軽薄」であることの意味と価値――「SF(日本SF)」、テレビ、怪獣

 1 一九六〇年代の「SF(日本SF)」と「特撮映画」

 2 ショート・ショートに見る「相対化」の方法論

 3 文芸評論家たちのテレビ論と「アクチュアリティー」の変容

 4 テレビメディア発達状況下での「SF(日本SF)」の実践

 5 「ドタバタ」のアクチュアルさ

 6 怪獣を「軽薄」に扱う法



第6章 キャラクター消費という問題――「特撮映画」ジャンルの再編と「オタク第一世代」

 1 パニック・スペクタクル映画をめぐる世代間対立

 2 「特撮映画」ジャンルの再編

 3 怪獣ゴジラが背負うもの



終章 キャラクターは「政治的」足りうるか――近年の文学的・美術的実践と「特撮映画」ジャンル

 1 本書のまとめ――「特撮映画」・「SF(日本SF)」ジャンルの形成と変容

 2 怪獣・怪人による社会批判

 3 「怨嗟」の形象化としての怪獣ゴジラ

 4 ポピュラー・カルチャージャンルの内と外



エピローグ



参考文献一覧



索引

森下 達[モリシタ ヒロシ]
1986年、奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学博士(文学)。東京成徳大学人文学部助教。専攻はポピュラー・カルチャー研究。共著に『複数の「ヒロシマ」』(青弓社)、論文に「原子力の「夢」と「幻滅」」(「二十世紀研究」第14号)、「「罪と罰」から「ある一夜」へ」(「マンガ研究」第20号)、「ヒロインが「敵」になるとき」(「ユリイカ」2015年10月号)など。

内容説明

1950年代から80年代までの『ゴジラ』や『モスラ』などの特撮映画の歩みをたどり、その想像力を支えた60年代・70年代のSFの動向も整理する。そして、3・11後の文化状況や『シン・ゴジラ』も射程に収め、戦後日本のポピュラー・カルチャーが社会的・政治的なものと距離を置くようになったプロセスを解析する。

目次

序章 「非政治的」な領域としてのポピュラー・カルチャー
第1章 『ゴジラ』をめぐる批評の力学―「平和への悲願」の意味
第2章 「空想科学映画」の射程―『空の大怪獣ラドン』『地球防衛軍』
第3章 現実の批判者としての怪獣・怪人―文学者の実践と「特撮映画」
第4章 SF規範をめぐる科学と政治―「SF(日本SF)」が切り捨てたもの
第5章 「軽薄」であることの意味と価値―「SF(日本SF)」、テレビ、怪獣
第6章 キャラクター消費という問題―「特撮映画」ジャンルの再編と「オタク第一世代」
終章 キャラクターは「政治的」足りうるか―近年の文学的・美術的実践と「特撮映画」ジャンル

著者等紹介

森下達[モリシタヒロシ]
1986年、奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学博士(文学)。東京成徳大学人文学部助教。専攻はポピュラー・カルチャー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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羊男

2
怪獣といっても主役はゴジラ。そこに太平洋戦争や原爆や東北大震災がにじんでいる過程を描いている。文学やSFのからみもトピック的に入り込む。あまりポップカルチャーとのからみはない感じ。悪く言えばNHK的で、良く言えば学問的でありながら世相をよく捉えて、時代を意識させてくれる。2017/12/24

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