内容説明
戦時下の一九四三年に傑作『くもとちゅうりっぷ』を作り上げたアニメーション監督・政岡憲三。彼の足跡を軸に、トーキー漫画映画の登場など、戦前の日本の映画史・アニメーション史に光を当てる。そして、戦後の人材育成や、漫画映画からテレビアニメへの橋渡しの役割も検証して、政岡の功績を再評価する。「手塚治虫以前/以後」「映画/アニメ/テレビ」などの枠組みでは収まりきらない日本アニメーション史のダイナミズムを、政岡が歩んだ道から照らす。
目次
第1章 美術とアニメーション(画家と漫画映画;動きを描く;美工・絵専での教育 ほか)
第2章 映画のなかの漫画映画(大大阪の時代;劇映画の世界へ;京都と漫画映画)
第3章 トーキーは漫画映画を変える(トーキーとは何か;トーキーアニメーションの登場;日本における漫画映画のトーキー化 ほか)
第4章 二つの『くもとちゅうりっぷ』(『くもとちゅうりっぷ』制作の経緯;「くもとちゅうりっぷ」から『くもとちゅうりっぷ』へ;一九四三年当時の評価 ほか)
第5章 『ファンタジア』という呪縛―戦時下日本の漫画映画と制作者(瀬尾光世;戦時下日本での『ファンタジア』;戦争とアニメーション ほか)
第6章 漫画映画制作者たちの戦後―絵本作家への転身(プロパガンダからの脱却;映像の実験;「すて猫トラちゃん」シリーズ ほか)
第7章 漫画映画からテレビアニメへ―戦前と戦後を結ぶもの(政岡憲三の弟子たち;政岡憲三神話の復活;即戦力としての人材養成 ほか)
著者等紹介
萩原由加里[ハギハラユカリ]
1979年生まれ。立命館大学文学部史学科日本史専攻卒業。立命館大学大学院先端総合学術研究科表象領域修了。立命館大学、甲南女子大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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