内容説明
生誕から60年―核の恐怖の象徴、ダイナミックな巨大ヒーロー、子供たちのアイドルとして半世紀以上も映画史に君臨してきたゴジラ。その歴史をたどり、ともに歩んだわれわれの60年を回顧し再検証しながら、この不思議な怪獣の魅力を考察する。
目次
序章 ゴジラを感じた日
第1章 水爆大怪獣の誕生
第2章 ゴジラのライバルたち
第3章 日米怪獣王対決
第4章 高度成長と怪獣ブームのなかで
第5章 公害と割腹と沈没と滅亡と
第6章 水爆怪獣から原発怪獣へ
第7章 G細胞と巫女をめぐる物語
第8章 エメリッヒ版『GODZILLA』をめぐって
第9章 無敵の怪獣王
第10章 新たな時代へ
終章 ゴジラよ永遠なれ
著者等紹介
八本正幸[ヤモトマサユキ]
1958年、千葉県生まれ。東京デザイナー学院中退。『新青年』研究会会員。「失われた街」で第6回小説新潮新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei-zu
16
本書の刊行は、ハリウッド版2作目の「ギャレゴジ」公開後。同作までのゴジラ映画を、著者の体験を踏まえて振り返る。 三島由紀夫は「ゴジラになりたかった」、「三大怪獣~」が「幻魔大戦」に似ているのは、キングギドラが金星を滅ぼした背景に幻魔の存在があったと考えると楽しいなどの指摘に唸る。 著者は、最新作の「-1.0」をどのように観るだろうか。2023/11/04
左手爆弾
2
シン・ゴジラで注目を集めているので、ゴジラシリーズを再検討するのために読む。基本的にファン目線で、自分の人生とゴジラ映画を重ねて書いている。特段、濃密な批評やオタク的視点があるわけではない。むしろ、当時の鑑賞者の雰囲気を知れていいし、きちんと他のゴジラ批評の引用もあるので、勉強にはなる。第五福竜丸がゴジラの原点で、常にゴジラは未解決を強いられる、戦争が不在である故に自衛隊の活躍には怪獣が必要であり、実は国産ゴジラにおいてアメリカがゴジラを攻撃したことは一度も無い等、参考にはなる。2016/09/07
youfuruya
1
今年はゴジラの生誕60周年らしい……。そんなわけで、ゴジラと“ゴジラ的”なものを綴った書物。作品ごとにゴジラの捉え方が変わる……ということで、なるほどという感じ。おもしろかった。2014/10/21