内容説明
演劇のなかには、人生のすべてがある!小学校・中学校の教員や指導的立場の人にとっての演劇指導の魅力、演劇教育が人間性や人間関係を育てるための有効なツールであり、人間性育成のためにはどのような姿勢で取り組めばいいのか、を実践経験をとおして熱く語る。
目次
まえがき―自分で考え、自分で決めて、自分で選ぶ体験
第1章 本気で生きる大人として―中学校演劇部指導員の記録から
第2章 表現すること、生きること―お米づくりを劇に(小学五年生)
第3章 自分の痛みと向き合って―即興による劇づくりの体験
第4章 自己解放・自己表現の場として―指導者の視点
第5章 レッツ!「かめわざ語録」
著者等紹介
かめおかゆみこ[カメオカユミコ]
北海道・オホーツク生まれ。中学校演劇部の外部指導員を経て、あらゆる層の人を対象に、演劇指導、表現とコミュニケーションのワークショップ、講演のために全国各地をかけめぐっている。2008年スタートの「『聴く』を磨く」講座は、全国13カ所で開催されている。2011年には「じぶん表現倶楽部」を立ち上げた。脚本に「月が見ていた話」(晩成書房戯曲賞受賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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うりぼう
38
著者、渾身の一冊。学校演劇部の外部指導員として、生徒達と向き合ってきた「出会いのレッスン」。人を本気にするのに時間も日数も関係ない。たとえ数回のチャンスでも本気でぶつかれば、人は応える。その真実の記録。それは、演劇の問題を超え、普遍的な人間関係を問う。読者に私に、他人と真摯に向き合っているか、本当に他人の力を信じているかと。かめさんは、カッコーを思い出させる。人の心に「本気」の卵をそっと置き、本人の気づかぬ間に生まれ、育ち、本人が大事にしてきた「恐れ」「愚痴」「逃避」などの卵を次々と巣から追い出してしまう2011/10/09
Naomi
12
イベント会場で、著者ご本人から購入させていただきました。発行1周年記念特製表紙は緑色で、ご本人がつけたかったタイトル『生きるとは表現すること』とあります。わたしは、このタイトル(と勿論かめおかさんご本人)に惹かれて買いました。中学生に演劇を教えているかめおかさん、生徒たちとのエピソードから、演劇は人生そのものだなぁって、しみじみ感じました。自分のことは忘れられていいという、かめおかさんの指導者の姿勢と、即興劇を通して伝えていた「今、ここ」で相手としっかり向き合うことが、素晴らしいなと思いました。2014/05/14
とし
1
「演劇のなかには、人生のすべてがある」、演劇は「心をあつかう活動」。様々な所でワークショップを行う著者の、指導者としての心意気が結集した一冊。中でも、指導者として何かを押しつけるのではなく、「自分で選び取る」事が肝心とする姿勢はお手本にしたいものがある。演劇を通して人生を豊かにする、「演劇教育」という活動を行う人の、生きざまを見た。2012/10/16