出版社内容情報
「クラシック音楽は娯楽ではなく、人間にとって大切な何かだ」と真正面から対峙するオレが全身を傾けて聴いたCDを、毀誉褒貶、峻別する。独善を排し、既成の評価を超えた演奏には賛辞を惜しまず、文化的・社会的な背景もからめながら聴きどころを提示する。
はじめに
第1章 オレのクラシック
オレが認めない指揮者たち
サイモン・ラトル――浅薄きわまりないお調子者
ルネ・ヤコブス――指揮ぶりの汚さでは稀有
フィリップ・ヘレヴェッヘ――ド退屈なチンマリ野郎
佐渡裕――音楽は汗をかけばいいってもんじゃないだろ?
ヴァレリ・ゲルギエフ――大衆は野蛮が好き
クラウディオ・アバド――いろいろな有終の美がある
リッカルド・シャイー――なぜか活躍できる指揮者
ズデニェク・マカール――タダのヘタクソ
オレが日本でコンサートに行くのが嫌いな訳
新国立劇場にはもう行かない!
オレの音楽評論とは
聴衆は救いようがない
オレは快楽主義者だ
オレはオタクが嫌い
オレのオーディオ――あまりにもヤバすぎる問題
カーステレオの話
クラシックの未来
クラシック評論の未来
オレとピアソラ
オレのイタリア 1
オレのイタリア 2
オレのウィーン
オレと車とクラシック
日本車とクラシック
オレの日本
オレの宗教
オレのオペラ
オレの大学
オレのグルメ
福臨門[九龍店]/ピエール・ガニェール[パリ]/』/マクシミリアン・コブラ指揮ヨーロッパ・フィルハーモニー、ブダペスト管弦楽団ほか
残酷と野蛮と官能の恐るべき『ローマの祭り』
レスピーギ『ローマ』3部作/エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団
快楽主義のベートーヴェンにウキウキ
ベートーヴェン『交響曲全集』/エンリケ・バティス指揮メキシコ国立交響楽団
私はこれを待っていた――予想を超えた恐るべき『レニングラード』『巨人』
ショスタコーヴィチ『交響曲第7番「レニングラード」』/ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団
『ヴォツェック』映像の決定盤
ベルク『ヴォツェック』/ヨアヒム・ヘス監督、トニ・ブランケンハイム(バリトン)ほか、ブルーノ・マデルナ指揮ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団ほか
一直線の突撃演奏に唖然
『バティス・エディション1』
「クラシックプレス」を悼む
季刊「クラシックプレス」最終号
急げ! 超必見、バレエ嫌いこそ見るべき最高の『白鳥の湖』
チャイコフスキー『白鳥の湖』/マシュー・ボーン振付、アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ
ーラー『交響曲第1番「巨人」』『第2番「復活」』、バルトーク『管弦楽のための協奏曲』/ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団
メンデルスゾーン『交響曲第1番』『第4番』/フランス・ブリュッヘン指揮放送室内管弦楽団
レブエルタス『マヤ族の夜』/エンリケ・バティス指揮メキシコ市管弦楽団
ガーシュイン『ラプソディ・イン・ブルー』/アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)、小澤征爾指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サイードが死んだ
ベートーヴェン『交響曲第9番』/クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団ほか
邪悪なアダージョ
『至高のアダージョ フルトヴェングラーvsカラヤン』/ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ほか、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ほか
大衆路線とは?
フレンニコフ『交響曲第1番』『第2番』『第3番』/エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団
驚天動地のムラヴィンスキー!
『ムラヴィンスキー・イン・モスクワ 1965』
ベートーヴェンの『ピア>
またまた衝撃のムラヴィンスキー
『ムラヴィンスキー・イン・モスクワ 1972』
クーベリックを見る
ベートーヴェン『交響曲第2番』『第3番「英雄」』『序曲「レオノーレ」第3番』/ラファエル・クーベリック指揮コンセルトヘボウ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤンはすごかった
ベートーヴェン『交響曲第7番』、ストラヴィンスキー『春の祭典』/ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
これはクレンペラーか?
サン=サーンス『交響曲第3番「オルガン付き」』ほか/エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団
トルストイのワルツは美しかった
「トルストイのワルツ~ロシア文豪の音楽」
トルストイ『ワルツ ヘ長調』、パステルナーク『前奏曲』ほか/レーラ・アウエルバッハ(ピアノ)
カルロス・クライバーを悼む
血が滴る『ペトルーシュカ』
ストラヴィンスキー『ペトルーシュカ』/エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団
『展覧会の絵』編曲の意外な傑作
ムソルグスキー『展覧会の絵』/シンフォニア・ラハティ・ 「シルヴァーライン・クラシクス DVDコレクション」
モーツァルト『魔笛』、ヴェルディ『ナブッコ』/ヴォルフガング・ヴェルナー演出、ミヒャエル・レスキー指揮ユンゲ・ブンデスレンダー・フィルハーモニーほか
『ヨハン・シュトラウス名曲集』/エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ウィーン交響楽団
モーツァルト『交響曲第35番「ハフナー」』ほか/フランス・ブリュッヘン指揮スイス・イタリア語放送管弦楽団
ブラームス『交響曲第3番』ほか/セルジュ・ボド指揮スイス・イタリア語放送管弦楽団
ハイドン『交響曲第103番「太鼓連打」』ほか/ペーター・マーク指揮スイス・イタリア語放送管弦楽団 など
ナクソスの日本作曲家シリーズについて
芥川也寸志『エローラ交響曲』ほか/湯浅卓雄指揮ニュージーランド交響楽団
山田耕筰『交響曲「かちどきと平和」』ほか/湯浅卓雄指揮アルスター管弦楽団ほか
矢代秋雄『ピアノ協奏曲』ほか/湯浅卓雄指揮アルスター管弦楽団 など
こんなすごいモーツァルトがあった
モーツァルト『ピアノ協奏曲第12番』『第20番』ほか/ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)、アレクサンダー・シュナイダー指揮ゥットガルト国立歌劇場管弦楽団ほか
音楽エッセイの名手
青柳いづみこ『双子座ピアニストは二重人格?――音をつづり、言葉を奏でる』
あのラッパライネンがついに再来日――今度も激ヤバのサロメか?
「トリスタン」みたいなプロコフィエフ
プロコフィエフ『交響曲第5番』『第7番』/クラウス・テンシュテット指揮バイエルン放送交響楽団
テンシュテットのブルックナーは灼熱地獄
ブルックナー『交響曲第3番』、シベリウス『ヴァイオリン協奏曲』ほか/クラウス・テンシュテット指揮バイエルン放送交響楽団ほか
もしクラシックが禁止されたら?
『ザ・コンサートホール・レコーディングス』/リリー・クラウス(ピアノ)
やっぱりいい『パルジファル』
ワーグナー『パルジファル』/ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団ほか
ベルティーニの死を悼む
何だ、この暗いリストは?
リスト『ラ・カンパネッラ』ほか/フジ子・ヘミング(ピアノ)
何だこれは? アファナシエフのグロテスク演奏
ベートーヴェン『ピアノ協奏曲全集』/ヴァレリ・アファナシエフ(ピアノ)、ユベール・ス
目次
第1章 オレのクラシック(オレが認めない指揮者たち;オレが日本でコンサートに行くのが嫌いな訳;新国立劇場にはもう行かない!;オレの音楽評論とは ほか)
第2章 オレのCD(謎の指揮者エンリケ・バティス;謎の指揮者マクシミリアン・コブラ;残酷と野蛮と官能の恐るべき『ローマの祭り』;快楽主義のベートーヴェンにウキウキ ほか)
著者等紹介
許光俊[キョミツトシ]
1965年、東京都生まれ。慶応義塾大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。