出版社内容情報
日本では、女性が育児・親の介護などのケアを担うことが望ましいと見なされている。しかし、人々のライフコースは個人化・多様化し、女性の就労は今後も増え続けるだろう。こうした社会的な状況のなかで、子育てや高齢者介護などのケアを誰がどのように担っていくのかは大きな課題である。
近代家族化と脱近代家族化のプロセスは異なるものの、女性労働力率が高いという共通点をもつデンマーク・中国と日本とをインタビューやアンケートをもとに分析して比較する。それらを通して、日本のケアネットワークと愛情規範の特徴を明らかにし、ケアと愛情が強く結び付いて性別役割分業を根強く残存させていることを浮き彫りにする。
そして、個々人のwell-beingを保障し、ケアする側の権利とケアされる側の権利を尊重しながら親密な関係性を築くことを可能にする家族と社会的ネットワークのあり方や、そのような関係性を形成し持続していくための要件を、脱家族化の視点から模索する。
目次
第1章 日本・中国・デンマーク若者のケア意識 磯部 香
第2章 デンマークで子育てにかかわるのは誰か――職業キャリアと親業のはざまで 青木加奈子
第3章 育児は誰の責任なのか――中国都市家族の育児不安を手がかりに 鄭楊
第4章 高齢者のケアは誰によっておこなわれるべきか――高齢者の生活意識とケアネットワークの中日比較 李東輝
第5章 しあわせな家族には専業母が必要か――ケアと親密性の国際比較 宮坂靖子
内容説明
女性労働力率が高いという共通点をもつデンマーク・中国と日本とをインタビューやアンケートをもとに分析して比較する。それらを通して、日本のケアネットワークと愛情規範の特徴を明らかにし、ケアと愛情が強く結び付いて性別役割分業を根強く残存させている実態を浮き彫りにする。
目次
第1章 日本・中国・デンマークの若者のケア意識
第2章 デンマークで子育てに関わるのは誰か―職業キャリアと親業のはざまで
第3章 育児は誰の責任なのか―中国都市家族の育児パターンの変化を手がかりに
第4章 中国の高齢者は誰がケアするのか―大連市での調査を例に
第5章 ケアネットワークと子育てに対する感情の関係を問う
第6章 幸せな家族に「専業母」は必要か―愛情規範の再編成
著者等紹介
宮坂靖子[ミヤサカヤスコ]
1960年、埼玉県生まれ。金城学院大学生活環境学部教授。専攻は家族社会学、ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme