アニメと声優とメディア史―なぜ女性が少年を演じるのか

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アニメと声優とメディア史―なぜ女性が少年を演じるのか

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  • サイズ 46判/ページ数 217p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787234780
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0036

出版社内容情報

野沢雅子、小原乃梨子、田中真弓、緒方恵美、高山みなみ……。アニメの少年を女性の声優が演じることに、違和感はまったく感じない。しかしこれは、ディズニーアニメで少年を子どもが演じるのとは対照的な、日本アニメの特徴だ。こうした配役はどのようにして生まれ、アニメ文化に何をもたらしてきたのだろうか。



少年を演じる女性声優を軸にアニメと声優の歴史をたどり、日本が独自に育んできたアニメと声の文化を描き出す。子役起用が難しいという制約から始まった少年に女性声優をあてる配役は、魔法少女もの、アイドルアニメ、萌えアニメ、BLなどのアニメの変遷とともに実に多様な広がりを見せている。性も年齢も超えて恋愛対象としての「イケボ」の青年まで演じる女性声優は、外見とキャラクターとの差異やジェンダーのズレから、視聴者に独特の欲望を喚起している。



みんなに愛される少年から女性が恋する青年までの女性声優を切り口に、アニメと声優のメディア史を考察する。



目次

 序 章 少年役を演じる女性声優――リミテッド・アニメーションと声

第1部 少年役を演じる女性声優の歴史

 第1章 連続放送劇と民主化

 第2章 子どもを演じること――木下喜久子と『鐘の鳴る丘』

 第3章 他者との同期――一九五〇年代テレビ黎明期における声の拡張

 第4章 アニメのアフレコにおける声優の演技

 第5章 東映動画という例外――一九五〇年代末から一九六〇年代における子役の起用

第2部 ファンとの交流と少年役を演じる女性声優

 第6章 アニメ雑誌とスター化する声優――一九七〇年代の変化

 第7章 声優とキャラクターの同一視――一九八〇年代の新人声優たち

 第8章 「萌え」と「声のデータベース」――一九九〇年代におけるキャラクターの声

 第9章 「萌え」の時代に少年を演じること

 第10章 受け継がれている「ずれ」と「萌え」――キャラクターに仮託された理想

 第11章 声とエロティシズムの領域――少年役を演じる女性声優の現在

おわりに

内容説明

魔法少女、アイドル、萌え…。女性声優はアニメの変遷とともに多様で多層的な世界を築いている。少年から青年まで、性を超えてキャラクターを演じる女性声優たちが視聴者にアプローチするさまを中心に、アニメと声優のメディア史を考察する。

目次

少年役を演じる女性声優―リミテッド・アニメーションと声
第1部 少年役を演じる女性声優の歴史(連続放送劇と民主化;子どもを演じること―木下喜久子と『鐘の鳴る丘』;他者との同期―一九五〇年代テレビ黎明期における声の拡張;アニメのアフレコにおける声優の演技;東映動画という例外―一九五〇年代末から六〇年代の子役の起用)
第2部 ファンとの交流と少年役を演じる女性声優(アニメ雑誌とスター化する声優―一九七〇年代の変化;声優とキャラクターの同一視―一九八〇年代の新人声優たち;「萌え」と「声のデータベース」―一九九〇年代におけるキャラクターの声;「萌え」の時代に少年を演じること;受け継がれていく「ずれ」と「萌え」―キャラクターに仮託された理想)
補論 アニメ関連領域から再考する少年役を演じる女性声優

著者等紹介

石田美紀[イシダミノリ]
1972年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。新潟大学経済科学部教授。専攻は視聴覚文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

61
サブタイトルに掲げられた疑問を追及して、ラジオの草創期にまでメディアの歴史をさかのぼる。戦前アメリカのアニメ映画では子役の少年が男の子を演じるのが普通だったというのは意外。女性が担当するのが常態となった理由として、だれでも思いつくのは変声期の問題だが、それだけではなかったわけである。終章まで自然に日本のアニメ史をたどることになるが、声だけ(?)を演じることへの反論や援護、声優ファンが現れる時代となり、ジェンダーとの深いかかわりも生まれ、BLへの言及まで幅広く論じる。もはや「声だけ」と思ったら全く見当違い。2022/03/13

ぐうぐう

38
本書がユニークなのは、女性声優にスポットを当て、なぜ女性が少年を演じるのかという部分にアプローチした声優史となっている点だ。著者は、女性声優が少年役を演じる配役の源流を占領期のラジオドラマに見いだす。子役が子供を演じることの困難さ(学業優先、労基法、生放送、変声期等)が、女性の起用へと導いていく。その流れをヒントに、声優という存在そのものの解読へと著者は論を進めるのだ。いわば、他人が作った枠組みの中で演じ、キャラクターを表現する行為の、その真髄を、ベテラン声優達の証言から想像し、評価する。(つづく)2021/01/27

ケイトKATE

30
子供の頃、アニメが大好きで夢中になって観ていた。アニメで少年役の声を成人の女性声優が演じていることに違和感を覚えることがなかった。しかし、少年役を女性声優の起用は日本特有の慣例であった。背景として、戦後の連続ラジオ放送制作において、子供を夜間まで仕事をできないことになったことと、子供が変声期を迎えてしまうことから、女性声優を使うことになった。それによって、アニメにも女性声優が起用されることになった。私は女性声優による中性的な声で少年を演じることは、日本のアニメに多様性と奥深さを与えており誇りに思う。2021/06/28

akihiko810/アカウント移行中

25
女性声優の受容の歴史を紐解く。印象度B 元々、ラジオドラマは子役が演じていたが、夜の労働は労働法によりできないため、女性声優が演じるようになった。雑誌「アニメージュ」により声優そのものにスポットライトが当たるようになる。面白いのは9章からの、声優・緒方恵美の項。「幽白」で蔵馬(「少年」ではなく、成熟した青年)を女性が演じたのが、エポックメイキングだったらしい。それがセーラーウラヌスへと繋がっていく。 もう少し柔らかい本かと思ったが、「メディア史」と銘打つだけあって学術書みたいだった2021/11/24

mittsko

13
面白かった。何より、明晰そのものの文体と構成に強く印象づけられた。見事な論説であります。内容的には一点、90年代以降の声と声優を論じるのに、東浩紀のデータベース概念を援用する必要性、適切性が、オタクでは全くないボクには判断できなかった。これ有効なの? ※ アニメのキャラクターの声の魅力、あるいは声優の声の力とは何か… 「わたしたちが声優の声と身体をどのように理解してきたのか」… 本書は、日本のアニメ声優、とりわけ「少年役を演じる女性声優」を主軸にした日本アニメ史をつづることで、その問いに取り組む。2021/08/22

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