新自殺論―自己イメージから自殺を読み解く社会学

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新自殺論―自己イメージから自殺を読み解く社会学

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  • サイズ A5判/ページ数 296p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787234681
  • NDC分類 368.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

年間3万人超え、10年以上続いた日本の自殺増加は何だったのか。

なぜ、1998年からの日本の自殺増加の中心は中高年男性だったのか。

なぜ、2000年以降、中高年の自殺が減っても、若者の自殺は減らないのか。

なぜ、日本の女性や若者の自殺率は、他の先進国と比べてとくに高いのか。

社会の自殺率は、何によって変化するのか。



自殺研究は、いまも貧困や失業、離婚、病気、争いごとなどに自殺リスクの原因を求めがちだが、自殺は高度に社会的な現象でもある。自己本位や愛他、規範崩壊、宿命などの個人的な事情に押し込めずに、隠されている背景や事情を究明する必要がある。

そのために、自殺率統計も援用しながら、ゴフマンが提起する自己イメージ(体面=フェイス)の概念をデュルケムと関連づけて考察し、デュルケムの『自殺論』を現代に適用して分析する。



孤立や社会的排除など、個々人が集団や組織から切り離されたいま、個々人がどんな社会関係にも参入できる自己イメージをもつことが必要だ、と提起する新しい「自殺の社会学」。





目次

第1部 デュルケムの視点からみる日本の自殺

 序 章 東日本大震災後の日本の自殺をめぐって 大村英昭

 第1章 日本自殺における自殺の概観 大村英昭

 第2章 デュルケムの自殺論の概説 大村英昭

 第3章 『自殺論』と現代の自殺――現代の自殺にどう生かせるか 阪本俊生

 第4章 社会変化と自殺率――19世紀と20世紀 阪本俊生

 第5章 国際比較からみる現代の日本の自殺 阪本俊生



第2部 自己イメージ(体面=フェイス)ロスの視点からみる日本の自殺――表層からの自殺論

 第6章 役割期待と自殺 大村英昭

 第7章 若年層における雇用不安定化と自殺 平野孝典

 第8章 スティグマと自殺 阪本俊生

 第9章 岡檀『生き心地の良い町』にみるフェイスと自殺 阪本俊生

 第10章 フェイスと自殺の諸相 阪本俊生

 第11章 自殺とフェイスについて――社会変化と社会学の視点 阪本俊生

内容説明

自殺は高度に社会的な現象である。したがって、自殺を考察するためには、個人的事情の背後に隠された要因の究明が必要である。自殺率統計を援用しながら、ゴフマンが提起する自己イメージ(体面=フェイス)の概念をデュルケムと関連づけて考察し、デュルケムの『自殺論』を現代に適用して分析する。

目次

第1部 デュルケムの視点からみる日本の自殺(東日本大震災後の日本の自殺をめぐって;日本における自殺の概観;デュルケムの『自殺論』の概説;『自殺論』と現代の自殺―現代の自殺にどう生かせるか;社会変化と自殺率―19世紀と20世紀;国際比較からみる現代の日本の自殺)
第2部 面子(フェイス)ロスの視点からみる日本の自殺―表層からの自殺論(役割期待と自殺;若年層における雇用不安定化と自殺;スティグマと自殺;岡檀『生き心地の良い町』にみるフェイスと自殺;フェイスと自殺の諸相;自殺とフェイスについて―社会変化と社会学の視点)

著者等紹介

大村英昭[オオムラエイショウ]
1942年生まれ、2015年没。大阪大学教授や関西学院大学教授などを歴任した。専攻は臨床社会学、宗教社会学

阪本俊生[サカモトトシオ]
1958年生まれ。南山大学経済学部教授。専攻は理論社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハル

4
自殺というものについて細かく分類分けして解いていく一冊。分かりやすい理由としてあげられるものだけではない要因として肥大化する欲望、漠然とした不安、自己のフェイス、スティグマなどこの本では論じられている。 この本を読んで凄く安堵することがあって、それだけでこの本を読む価値が私にはあった。何度も読み返して、理解して、不安をなくさなくてもいいから上手く共存したい。2023/08/16

原玉幸子

4
有名芸能人の相次ぐ自殺に…というよりは、デュルケーム『自殺論』の近現代の焼き直しが如何程か、との思いでの購入です。G7の中で突出して自殺が多い日本を韓国が猛追していること、世界比較で逆に日本の殺人は少ない(年間1,000件程度)、各国で自殺率の差異はあっても各国で大きな変動はない事実からも、自殺は社会学になり得ます。デュルケームの19世紀の「アノミー的自殺」を「フェイス」で意味付けを変え現代の世相に反映させれば理解出来るとすれば、広く社会学として受け入れて貰う為に新書で良かったのでは。(●2020年・冬)2020/12/04

fumio_saurus

1
デュルケム自殺論が、20世紀以降に必ずしも通用しなくなったことを踏まえ、社会の「統合/凝集」「規制/無規制」という二つの自殺基準ではなく、フェイスの有無という観点から自殺の発生を捉えなおした本でした。伝統的社会が自殺を抑止していたのは統合的だからではなく、その社会が個人にフェイスを与えていたからであるらしいです。流動的な個人主義そのものが自殺を起こすのではなく、それに伴うフェイスの不存在/剥奪が引き起こすという考えは、デュルケム流の中間集団の再興による解決に疑問を感じていたこともあり、魅力的でした。2023/01/31

天使

0
テーマずつ細かいから読みやすいし飽きにくい。2022/05/24

Go Extreme

0
日本における自殺の概観:社会学の視点 自殺:高度に社会的現象 隠された背景や事情 デュルケムの自殺論 貧・病・争⇒思い込み 自殺類型:自己本位的・愛他的・アノミー・宿命 個人の自惑心やプライド・面目 リスク要因と自殺:隠れた媒介要因役割期待と自殺 面・フェイス ゴフマン:みるべきは表層>中身 自分が社会でどうみられているか ステイグマと自殺:個々人の面子・フェイス問題⇒通文化的なもの 社会変化と社会学の視点 集団や組織の連帯とフェイス 線の視角に対して面の視角を導入 関わり⇒面的・外面・表層的な見方2020/10/18

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