出版社内容情報
ハンドメイドは女性、プラモデルは男性――ものづくりの趣味は男性らしさ・女性らしさと強固に結び付き、趣味としてただ楽しんでいるつもりでも性別役割分業と密接な関係を築いてきた。
「ジュニアそれいゆ」(1954―60年)と「子供の科学」(1924年―)という2つの雑誌を読み込み、手芸・人形・インテリアなどの女性と結び付けられる〈手づくり〉と、工作・模型・ミリタリーなどの男性に割り当てられる〈自作〉をキーワードに、手づくり趣味の近・現代史を描き出す。
コミケやデザインフェスタの盛況、郊外に点在するホームセンター、「Instagram」にあふれるハンドメイド――現代の「あえて自分で作って楽しむ趣味」の源流をたどり、男性・女性に分かれ、双方が排他性をもってしまう手づくり趣味をめぐる文化の内実に迫る。
内容説明
「ジュニアそれいゆ」と「子供の科学」という2つの雑誌を読み込み、手芸・人形・インテリアなどの女性と結び付けられる“手づくり”と、工作・模型・ミリタリーなどの男性に割り当てられる“自作”をキーワードに、手づくり趣味の近現代史を描き出す。
目次
手作りとジェンダー
第1部 家庭生活に役立つ“手づくり”(「ジュニアそれいゆ」にみる少女の手芸;「少女の友」「ジュニアそれいゆ」における「少女」「ジュニア」の人形;インテリア手芸と工作の時代;女子学生と手芸―「ジュニアそれいゆ」世代からの継承)
第2部 “自作”する少年共同体(科学雑誌から生まれた工作趣味、鉄道趣味―戦前/戦中/戦後の「子供の科学」の内容分析から;工作記事は少年たちに何を語ってきたのか―戦前・戦中の「発明」に見る実用主義の精神;動員される子供の科学―戦時下の工作と兵器;「科学」と「軍事」の呪縛―一九五〇年代の航空雑誌での模型工作の営み)
第3部 “手づくり”と“自作”の境界を揺さぶる趣味の実践(日曜大工の社会史―男性の手作り趣味と家庭主義;DIYとしての自主放送―初期CATVの考古学;「社会化」する自作庭園鉄道―桜谷軽便鉄道のいま)
著者等紹介
神野由紀[ジンノユキ]
関東学院大学人間共生学部教授。専攻は近代日本のデザイン史、文化史
辻泉[ツジイズミ]
中央大学文学部教授。専攻はメディア論、文化社会学
飯田豊[イイダユタカ]
立命館大学産業社会学部准教授。専攻はメディア論、メディア技術史、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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