“ヤンチャな子ら”のエスノグラフィー―ヤンキーの生活世界を描き出す

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“ヤンチャな子ら”のエスノグラフィー―ヤンキーの生活世界を描き出す

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  • サイズ 46判/ページ数 276p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787234452
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ヤンキーという言葉から、どのようなイメージをもつだろうか。時代遅れというイメージがある一方で、近年では「マイルドヤンキー」のようにマーケティングの対象として注目されたりもしている。しかし、ヤンキーと呼ばれる若者が何を考え、どのように生活をしているのか、十分な調査に基づいた書物は少ない。



大阪府の高校で3年間、〈ヤンチャな子ら〉と過ごしフィールドワークして、対立だけではない教師との関係、〈インキャラ〉とみずからの集団の線引き、家族との距離感を丁寧にすくい上げる。そして、高校を中退/卒業したあとの生活も調査し、大人への移行期に社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を活写する。



集団の内部の亀裂、地域・学校・家族との軋轢、貧困や孤立――折り重なる社会的亀裂を抱える若者の「現場」から、分断や排除に傾かない社会関係の重要性を指し示す。

序 章 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィーに向けて

 1 巷にあふれる「ヤンキー語り」と調査の不在

 2 〈ヤンチャな子ら〉を調査・研究する意義

 3 本書の目的と独自性

 4 調査の概要

 5 本書の構成



第1章 ヤンキーはどのように語られてきたのか

 1 若者文化としてのヤンキー

 2 生徒文化としてのヤンキー

 3 階層文化としてのヤンキー

 4 これまでのヤンキー研究の課題

 5 分析の方針



第2章 〈ヤンチャな子ら〉の学校経験――教師との関係に着目して

 1 〈ヤンチャな子ら〉と教師の対立?

 2 学校文化の三つのレベル

 3 家庭の文化と学校文化の葛藤

 4 〈ヤンチャな子ら〉と教師の相互交渉

 5 教師への肯定的評価と学校からの離脱

 6 〈ヤンチャな子ら〉と「現場の教授学」



第3章 〈ヤンチャな子ら〉とは誰か――〈インキャラ〉という言葉に着目して

 1 集団の曖昧さ

 2 類型論的アプローチを超えて

 3 〈インキャラ〉という解釈枠組み

 4 文脈のなかの〈インキャラ〉

 5 〈インキャラ〉という解釈枠組みのゆらぎ?

 6 集団の内部の階層性



第4章 「貧困家族であること」のリアリティ

 1 「子ども・若者の貧困」研究における本章の位置づけ

 2 「記述の実践としての家族」という視点

 3 記述の実践としての「貧困家族」

 4 アイデンティティとしての家族経験



第5章 学校から労働市場へ

 1 〈ヤンチャな子ら〉の仕事への移行経路

 2 〈ヤンチャな子ら〉の移行経験――六人の語りから

 3 移行経路と社会的ネットワーク



終 章 〈ヤンチャな子ら〉の移行過程からみえてきたこと

 1 〈ヤンチャな子ら〉集団内部にある「社会的亀裂」

 2 重層的な力学のなかにヤンキーを位置づけた意義

 3 「ヤンキー」と括られる人々の内部に目を向けることの重要性

 4 アンダークラスとしてカテゴリー化することの危険性

 5 〈貧困の文化〉か、〈社会的孤立〉か

 6 社会関係の編み直しに向けて



巻末資料



参考文献



初出一覧



あとがき

知念 渉[チネン アユム]
著・文・その他

内容説明

イメージで語られがちなヤンキーは、何を考え、どのようにして大人になるのか。高校で“ヤンチャな子ら”と三年間をともに過ごし、高校を中退/卒業したあとも継続して話を聞いて、集団内部の亀裂や、家族や地域との軋轢、社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を照らす。

目次

序章 “ヤンチャな子ら”のエスノグラフィーに向けて
第1章 ヤンキーはどのように語られてきたのか
第2章 “ヤンチャな子ら”の学校経験―教師との関係に着目して
第3章 “ヤンチャな子ら”とは誰か―“インキャラ”という言葉に着目して
第4章 「貧困家族であること」のリアリティ
第5章 学校から労働市場へ
終章 “ヤンチャな子ら”の移行過程からみえてきたこと

著者等紹介

知念渉[チネンアユム]
1985年、沖縄県生まれ。神田外語大学外国語学部講師。専攻は教育社会学、家族社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

18
「ヤンチャな子ら」(いわゆる「ヤンキー」)が多く在籍する高校のフィールドワークと彼らへのインタビュー調査を基にした社会学の研究書。ヤンキー文化の先行研究は、集団内の相互行為に焦点を当て、その文化の独自性を浮き彫りにしたが、本書では階層・階級論とジェンダー論の研究知見を取り入れ、外部社会の規範の影響を分析している。非正規化が進み、貧困層が増える中で、男性性の規範を受容しているからこそ、彼らは相対的剥奪感を覚えるという結論が圧巻。日本の社会学史に残る一冊となると思った。2023/03/02

モルテン

16
なぜ、今までこのような研究がなされてこなかったのだろう、と思った。著者が高校で参与観察を行い、そこで出会い、観察し、話をした〈ヤンチャな子ら〉を通してヤンキーを研究している。序章で著者が述べているとおり、『ハマータウンの野郎ども』の日本版である。「そうそう、そうだよね」と頷くことばかりで、普段、うっすら感じながら言葉にできていなかったことを的確に言葉にしてもらった感覚。特に、ヤンキーは「メディア・ストリート空間」、「社会空間」、「学校空間」それぞれ三つの力学に影響を受けているという説明にはスッキリした。→2019/01/31

JunTHR

6
まさかの一気読み。『暴走族のエスノグラフィー』『ハマータウンの野郎ども』を中心に、多くの過去の研究が参照されるが、それでは不足があるので新たな座標を示そうという意気込みが熱い。その分析は、単一的な視点を避けた重層的なものだが、素人が読んでいても十分に明快でもある。 〈ヤンチャな子ら〉の具体的なエピソードや語りの分量は多くはないが、どれも印象的。教室の隅に座っての参与観察を成り立たせ、〈ヤンチャな子ら〉と継続的な関係を築いたことにも驚く。 上間陽子の学生だったとのこと。打越正行『ヤンキーと地元』も楽しみだ。2019/03/18

Myrmidon

3
いわゆる「ヤンキー」(ヤンチャな子ら)の人々に対する参与観察。高校を中心に、卒業後の生活まで追跡。先行研究としっかり比較した上で、彼ら内部の〈亀裂〉や〈多様性〉、〈複雑さ〉を描き出す。勿論、事例の少なさから過度の一般化はできないが、その中で特に面白かったのは、やはり「ヤンチャな子らは先生を嫌っていない。むしろ尊敬・感謝している」話と「ヤンチャな子ら内部にも亀裂があり、その原因は社会的ネットワークからの孤立ではないか」という話。ジェンダー論的な部分はこれから内容を深めていけば面白くなりそうかな。2020/08/11

湯豆腐

3
すべての教師に読んでもらいたい。 私はヤンキーになりたかった(知念渉『〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー』) http://yudoufu.hatenablog.com/entry/2019/02/16/0910112019/02/13

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