リスクを食べる―食と科学の社会学

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リスクを食べる―食と科学の社会学

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787234063
  • NDC分類 498.54
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「食べる」という日常生活を取り囲む社会的・経済的・政治的な背景を解きほぐし、不安とリスクコントロールを迫る科学言説の問題性に切り込む。食の安全・安心をめぐるリスクコミュニケーションの限界と可能性を照らし出し、食をめぐるリテラシーを提言する。

はじめに



第1章?食とリスクのマトリクス

 1 〈権利/手段としての健康〉の棄損、〈責務/目的としての健康〉の推進

 2 新自由主義のもとでの戦略としてのヘルスケア

 3 食のリスクをめぐる関心と不安の高まり――政策技術の変容

 4 食とリスクのマトリクス



第2章?食べることと知識

 1 食べることについて社会学で扱うということ

 2 リスク論の系譜

 3 リスク論におけるカルチュラリズム

 4 人々の知識という問題圏

 5 状況づけられた解釈――私にとっての真理



第3章?市民とは誰か

 1 シティズンシップをめぐる規範性の問題

 2 上から権威づけられたシティズンシップと「よき市民」

 3 非市民の構築――規範性?の困難

 4 見えない恐れへの連帯は可能か



第4章?テクノフーズの氾濫――科学を食べなさい

 1 私たちは本当にそれを欲していたのか

 2 テクノフーズ誕生の歴史的背景

 3 「三次機能」が(ヒト生体に対してではなく)社会的に機能するための条件

 4 テクノフーズへの期待が高進する二十一世紀

 5 「科学的精度」ではなく「言説的精度」の問題

 6 私的領域の問題としてではなく



第5章?リスク“ディス”コミュニケーション――正しく食べなさい

 1 「食べてはいけない」と風評被害

 2 事実経過

 3 実際にはどのように報じられたか

 4 リスク“ディス”コミュニケーションの本質

 5 〈現在化した未来〉における変更可能性

 6 政策・技術としてのリスクコミュニケーション

 7 〈現在化した未来〉で負わされる責任



第6章?永遠のゼロリスクと禁断のゼロリスク――正しく消費しなさい

 1 消費者市民社会の狭隘さ

 2 禁断のゼロリスクと科学的正しさイデオロギー

 3 対立的に語られる科学と価値

 4 リスクをめぐるコミュニケーション

 5 隷従と忖度を超えた胃袋の連帯は可能か



おわりに

柄本 三代子[エノモト ミヨコ]
宮崎県生まれ。東京国際大学准教授。専攻は文化社会学、消費社会論、メディア論。著書に『リスクと日常生活』(学文社)、『健康の語られ方』(青弓社)、共著に『ニュース空間の社会学』(世界思想社)、『〈つながる/つながらない〉の社会学』『いのちとライフコースの社会学』(ともに弘文堂)、『文化としてのテレビ・コマーシャル』(世界思想社)、『健康ブームを読み解く』(青弓社)など。

内容説明

健康食品、遺伝子組み換え食品、ヘルスケア産業、トクホ、マグロ水銀報道、水俣病、BSE、中国冷凍餃子、セシウム濃度…。「リスクコントロールをして正しい市民たれ」と私たちに迫る科学言説の問題性に切り込み、食の安全・安心をめぐるリスクコミュニケーションの限界と可能性を照らし出す。

目次

第1章 食とリスクのマトリクス
第2章 食べることと知識
第3章 市民とは誰か
第4章 テクノフーズの氾濫―科学を食べなさい
第5章 リスク“ディス”コミュニケーション―正しく食べなさい
第6章 永遠のゼロリスクと禁断のゼロリスク―正しく消費しなさい

著者等紹介

柄本三代子[エノモトミヨコ]
宮崎県生まれ。東京国際大学准教授。専攻は文化社会学、消費社会論、メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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matsu

7
リスク抑制食品に対しては永遠のゼロリスクを追求させる反面、リスク増加食品に対してはゼロリスク指向を禁じる。これらはけっして科学の言葉ではない。統治のための政治的メッセージであり、政治性は科学の名のもとに隠蔽されている。科学を相対化することで権力の作用が見えてくる。2016/09/23

もっち

6
リスクを食べるというタイトルだが、つまりリスクコミュニケーションをメタ的に見るというお話である。リスクを負う「市民」とは何で、どんなメディアに媒介され、言説がどう変化していくかを問うている。確かに示唆に富む議論だが、あまりに難解すぎる書き方をしている部分がある。ルーマンやムフの議論を持ってくる意味がよく分からない。2017/06/04

まさき|SNS採用に強いフリーランス

5
我々のまわりには「食をめぐるリスクと科学言説」があふれている。それら言説がいかに生まれ、人びとに影響を与えているか(ある食べものを食べたり/食べなくなったり)、考えてみようという本。食というポピュラーなテーマのわりに内容難しめ(社会学の基礎知識、もっというと社会学的文脈における「リスク」や「コミュニケーション」の理解がないと読み進めるのはキビシイかも…)。本題とは逸れるけれど、コミュニケーション論的に考えて行き詰まったらプラグマティズムを参照してみる(pp.237-239)というアプローチは参考になった。2020/01/25

ぷほは

3
「リスク」と「コミュニケーション」は20世紀後半、国内の事情も踏まえれば80年代以降の社会学の最重要バズワードだが、それに「食」という21世紀の最重要課題の一つをテーマにして挑んでいる。データのボリュームや先行研究への目配り、事例の面白さや展開の妥当さなど、どれも高水準な成果であり、コレを真似してみろと言われてもなかなかできる気がしないのが正直なところではある。それを踏まえて難点を言わせていただくと、理論・事例ともに噛み砕きが弱く、括弧や濁点を多用した冗長な文体は、科学的にも一般書としても感心はできない。2016/12/31

TETSUYA

2
私たちにとって食べるということは明らかに、単に生物として物理的に身体と生命を維持するということだけではなく、栄養の摂取によって健康をいかに保つかということだけでもない。どのような社会的背景があり、どのような政治的意味を持つ(可能性がある)行為であるかについての考察が非常に重要であることがわかる。-- ということで、「食の社会学」として色々な言説や社会状況等について考察している本書。かなり面白いです。2016/10/23

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