内容説明
二十世紀から現在まで続くアジア各地に埋もれた記憶を掘り起こし、あるいは忘却のプロセスを追うことで、各地域のアイデンティティがどのように形成され、変容していくのかに光を当てる。地域アイデンティティを新たに構築するための視点・思考を磨き上げる、京都大学の成果を中心にまとめるシリーズ第1巻。
目次
第1部 二十一世紀的地域像を拓く(ミライの復興地―昭和三陸津波と東日本大震災;記憶のアーカイブ―スマトラ島沖津波の経験を世界へ;家系図の創造―ボルネオの黄龍の子孫たち)
第2部 二十世紀的記憶を結ぶ(往古への首都建設―平壌の朝鮮式建物;戦争の記憶と和解―韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題;交錯する農村の近代―岩手県沢内村と黒龍江省方正県)
第3部 二十世紀的記憶を描く(黒船来航と集合的忘却―久里浜・下田・那覇;日本人の性的表象―南洋を描いた中国語小説;グラフ誌が描かなかった死―日中戦争下の華北)
著者等紹介
貴志俊彦[キシトシヒコ]
1959年、兵庫県生まれ。京都大学地域研究統合情報センター教授、日本学術会議第23期連携会員。専攻は東アジア地域史研究
山本博之[ヤマモトヒロユキ]
1966年、千葉県生まれ。京都大学地域研究統合情報センター准教授。専攻は東南アジア地域研究(ナショナリズム論、災害対応と情報、映画と社会)
西芳実[ニシヨシミ]
1971年、東京都生まれ。京都大学地域研究統合情報センター准教授。専攻はインドネシア地域研究、アチェ近現代史
谷川竜一[タニガワリュウイチ]
1976年、大分県生まれ。京都大学地域研究統合情報センター助教。専攻は東アジア近代建築史・都市史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。