内容説明
ケータイ利用の背景や文脈的要因までも含め、ケータイによるコミュニケーションの変化や身体との関係性を理解するため、恋愛ドラマの物語構造、物語内でのケータイの役割、登場人物の身体のふるまいを詳細に分析。ある時期の若者の心を捉えた流行歌も議論の俎上に載せる。それら表象の解析をとおして、ケータイによるコミュニケーションの歴史的な変容をあぶり出し、人々とケータイとの距離感を浮き彫りにする。
目次
第1章 ときめきの波―恋愛ドラマとケータイの歴史
第2章 イノベーションとしてのケータイ普及と恋愛ドラマにおける変遷
第3章 ドラマで使われるケータイ
第4章 恋愛ドラマのソーシャルネットワークとケータイ
第5章 ケータイの物質性と身体―「ケータイを抱きしめる」文化の一考察
第6章 ポピュラー音楽の歌詞における携帯電話の意味
第7章 恋愛のコンテンツとケータイ
著者等紹介
中村隆志[ナカムラタカシ]
新潟大学人文社会・教育科学系教授。専攻は情報メディア論、ケータイ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HolySen
2
1章で恋愛ドラマの分析からケータイの使われ方を4つに時代区分していて、他の章もそれを参照していることが多い。2章が一番面白く、マーケティングの理論を使いつつ、メールの使われ方が文章の内容を重視するものから、使われ方を重視するハイコンテクストなものになっていて、それが現在のLINEに繋がっているという話。3~5章も恋愛ドラマの、また違った角度からの分析。6章はAKBとモー娘とおニャン子の歌詞テキストマイニング。7章はドラマ以外のメディアにおけるケータイの現れ方。矢沢あい漫画の分析と恋愛指南書の分析が面白い。2015/10/12
Mayu
1
(思い出し記録)ゼミ本。携帯という媒体がドラマや音楽においてどういった役割を果たしてきたのか。この存在の出現によって若者のコミュニケーション、恋愛の仕方がどう移り変わっていったか。こんな小さな機械がここまで世界を変えるのかと、ある意味夢の機械ですよね。2014/08/01
peisaku2014
0
端々に興味深い記述はあるが,全体としてちょっとまとまりがなかったかな…という印象。1・2章辺りが面白く,その後はうーんという感じだった。どちらかというと,映像や歌詞などのなかなか科学的に研究しづらい素材をどう料理するかを学べた点が良かった。特に1章の連ドラ分析。2014/07/19