その「民衆」とは誰なのか―ジェンダー・階級・アイデンティティ

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その「民衆」とは誰なのか―ジェンダー・階級・アイデンティティ

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787233585
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0036

内容説明

1930年代と50年代、それは人々が主体性に目覚め、闘争や自己表現を集団で企てた時代だった―戦争文学から綴方運動、女性運動、原水爆言説を議論の対象にして、民衆・農民・兵士・女・プロレタリアという人々を括るカテゴリーがもつ意味や、それを自らのものとして引き受けて多様な表象行為を企てる人々のありようをジェンダーやアイデンティティなどの視点から解きほぐし、“民衆”の今日的な可能性に迫る。

目次

第1部 一九三八年、拡張する文学―周縁の発見と包摂(「民族」の“歴史性”と「民衆」の“普遍性”―島木健作『生活の探求』、火野葦平『麦と兵隊』;周縁を表象する書き手たち―豊田正子『綴方教室』、火野葦平『麦と兵隊』;「少女」たちの語りのゆくえ―太宰治「女生徒」「千代女」とその周辺)
第2部 一九五〇年代、綴る/語る女たち―発話の政治性あるいはマジョリティ形成とアイデンティティ(「人民文学」と“書くこと”―階級的視点と国民文学論;「私」を綴る「人びと」―一九五〇年代における「綴方」;泣く「女」たち―「平和」の語りとジェンダー;“未来”の諸相―原水爆禁止署名運動とジェンダー;“無色”な主体のゆくえ―「声」の承認をめぐって)

著者等紹介

中谷いずみ[ナカヤイズミ]
1972年、北海道生まれ。奈良教育大学教育学部准教授。専攻は日本近代文学、国語科教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

K

3
久しぶり製本された本を頭から全部読んだ。 いわゆる国策文学の話かなと思って、日本浪曼派周辺の連中がわちゃわちゃ言っている話だろうと踏んでいたら、裏切られてかなり驚いた。戦前の思想弾圧によって転向したプロレタリアート達が、その概念を使って「民衆」概念の拡大、挙国一致体制の完成に参与していたという、驚愕。(よく考えれば世界史レベルでは同じ話があった…)戦時へ向かう挙国一致体制が、「『民衆』概念の拡大」「プリミティブな国民性の称揚」「国民の『内』と『外』の概念の明示」の要素によって完成していった様が(続く)2019/01/04

aabbkon

0
くそ面白い。「子どもというレトリック」をもっと自覚した先に何があるわけでもないけど,それを指摘することは大好き。2014/01/06

よっちん

0
研究室2022/12/19

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