内容説明
『鉄人28号』、NHK大河ドラマ、『千と千尋の神隠し』などのアニメやテレビ番組、韓国語レコード、マレーシアのマンガファン…。国境を超えて流通するサブカルチャーから、東アジア各国・各地域の歴史意識やナショナルな感情を読み解き、サブカル化するナショナリズムの実相を解析する。グローバリゼーションを背景にして広範に流通し受容されるサブカルチャーが、逆説的にナショナルなものへと変化する転換点を明らかにする。
目次
第1章 『鉄人28号』におけるナショナリズム表象―軍事力保有のリアリティとヴァーチャル・リアリティ
第2章 「クール・ジャパン」ネーション―日本のポピュラー・カルチャー振興政策
第3章 日本における大衆文化のグローバル化と変容―NHK大河ドラマ分析を通じて
第4章 マレーシアにおけるアニメとマンガのファンダム―アウトサイダーの視点
第5章 一九四五年以前の韓国語レコード録音の多面性―東京と大阪、そして京城
第6章 宮崎駿『千と千尋の神隠し』の物語の深層―国民的ファンタジーの想像力を支える歴史と記憶
著者等紹介
谷川建司[タニカワタケシ]
早稲田大学政治経済学術院客員教授。専攻は映画史、大衆文化研究
王向華[オウコウカ]
香港大学外国語文化学院学院主任。専攻は日本企業と日本流行文化のグローバリゼーション
呉咏梅[ゴエイバイ]
香港大学外国語文化学院特別研究員。専攻は日本学研究、文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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