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内容説明
草創期独特の熱気に包まれていた60年代とMANZAIブームで幕を開ける華々しい80年代とに挟まれ、奇妙なまでに静かな印象がある70年代のテレビ文化。だがその時代のテレビをめぐる一つ一つの出来事を見ていくと、「テレビの外部」を映していたテレビがテレビ自身を自作自演するようになった歴史的プロセスが浮かび上がってくる。テレビ史の転換点としての70年代を照射するメディア論。
目次
七〇年代テレビと自作自演
第1部 七〇年代テレビをジャンル別に見る(開拓者の時代―七〇年代バラエティというフロンティア;視るものとしての歌謡曲―七〇年代歌番組という空間;ドキュメンタリー青春時代の終焉―七〇年代テレビ論;日常性と非日常性の相克―七〇年代テレビドラマ論;コマーシャルの転回点としての七〇年代)
第2部 七〇年代テレビと社会を読む(テレビと大晦日;「女子アナ」以前あるいは“一九八〇年代/フジテレビ的なるもの”の下部構造―露木茂氏インタビューから;テレビにとって“やらせバッシング”とは何か―「やらせ問題」のテレビ史的意義)
著者等紹介
長谷正人[ハセマサト]
1959年、千葉県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻は映像文化論、コミュニケーション論
太田省一[オオタショウイチ]
1960年、富山県生まれ。社会学者。専攻は社会学、テレビ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2022/12/26
tkm66
1
資料2008/01/16
チャーリイ
1
内輪受け、楽屋落ち的な自己批評、自作自演的なテレビ演出は1980年代の全盛を前に、70年代に準備されていたという史観のもとに70年代のテレビを学術的に分析した書。70年代、中継主義に打ち克った作品主義が、80年代演出現場から離れたドラマ(つまり企画主義)の量産につながっていく皮肉。政治の季節のただ中に、対象へ介入する手法でドキュメンタリーを作った田原総一朗が、70年代に自己解体へ進む過程など。露木茂インタビューによって「女子アナブーム」の下部構造が明らかになるのも興味深い。2019/06/08