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内容説明
太陽からみゆき族、暴走族、アンノン族、クリスタル族などの「族」の系譜をたどり、オタク、渋谷系、コギャル、裏原系へという「族から系への転換」を見定めて、若者文化の変容を照らし出す戦後史。
目次
第1部 「ユース・サブカルチャーズ」へのアプローチ(研究の系譜;諸状況としてのユース・サブカルチャーズ)
第2部 戦後ユース・サブカルチャーズ史(太陽族の季節;みゆき族というストリート・カルチャー;‘Youthquake’とフーテン族;旅するアイデンティティ、アンノン族;暴走族―モビリティとローカリティ;クリスタル族―クラスとテイストのセクト;おたく族からオタクへ;族の末裔としての渋カジ;しぶやけいというテイスト・ジャンル;コギャル、ジェンダー・(アン)トラブルド
裏原系という居場所)
第3部 結語
著者等紹介
難波功士[ナンバコウジ]
1961年、大阪府生まれ。関西学院大学社会学部教授。専攻は広告論、メディア史、ユース・サブカルチャーズ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぷほは
5
2007年刊行である本書から現代はまた大きく展開があったのだが、それはひとまず置いて、その網羅性や通史としての性格ではなく、学術書としての側面から見てみると、やはりいくつかの特異な立ち位置が見えてくるような気がする。まずジェンダーが重要な分析の一角を占めているため、ファッション史では絶対に出てこない「おたく族」たちのフォークデビル化が的確に位置付けられている。また族→系→キャラというYSCの変遷が、メディアに流布する当人たちや特定の場所に限定されない社会的な諸力の重視が、対象を突き放す記述と合致している。2022/03/19
古戸圭一朗
2
「○○族」「○○系」というカテゴリーで存在した戦後日本のユース・サブカルチャーの成立・展開・衰退を辿る。サブカルチャーは「対抗文化」(カウンターカルチャー)の意味合いで素朴に使われることが多いが、本書ではサブカルチャーが「一体何に対して対抗的なのか(だったのか)」に注目する。本書を通してみると、よく言われるサブ(カルチャー)とメインの区別がなくなったというフレーズを、もう一度よく考えねばならないと感じる。2021/01/30
🍕
1
現代日本の名もなき若者たちの文化史。アイデンティティーをめぐる闘争と逃走、挫折。2020/08/20
Sensyuraku
1
太陽族、みゆき族から始まって渋谷系、裏原系までの誕生と衰退までの概説。族と系の違いをアイデンティティの面で考えたり、「若者」という概念の時代による変化を追ったりと面白い。年代による東京の変遷の本でもあるね。単なるまとめ以上の本なのでオススメ。ただカタカナ語使いすぎ2018/04/11
きいち
1
太陽族、暴走族、おたく族→オタク→アキバ系、渋谷系など11の「若者文化」について、当事者がどんな行動を実践し、通常の人々がどうとらえたか、階級や世代など5つの視点から丁寧に追いかけた労作。その過程から、若者文化自体がアイデンティティの中心(○○族)から着脱自在の属性(○○系)へと移り変わる。知らない間に自分が当事者だった世代となり、通り過ぎていく。裏原とか妙にリアリティあるな、と思ったらこの人広告業界出身、マーケターとして対峙してたんだなあ。2011/10/22