出版社内容情報
明治期から1990年代まで教育やスポーツの現場で広範に普及して黄金期を築いたブルマーにそそがれたまなざしを歴史的に追いながら、「性の解放と抑圧のパラドックス」「性の商品化」などの視角から、ジェンダー規範やセクシュアリティの変容の実態に迫る。
はじめに 高橋一郎
第1章 ブルマー登場以前――衣服と脚の関係から 萩原美代子
1 着物と活動性
2 女性の二本脚からみた日本服装史
3 『女大学』にみる女子教育
4 女学生出現と男袴の強制的着用・廃止
5 高等女学校令と女子体育・女袴の普及
6 ブルマーへの架け橋――くくり袴(和式ブルマー)
第2章 ブルマーと近代化――解放と抑圧のはざまで 谷口雅子
1 ブルマーにまつわる解放と抑圧のパラドックス
2 欧米でのブルーマー・コスチュームの登場に対する反応について
3 日本におけるブルマーの登場に対する反応について
4 近代化の過程でブルマーの登場がもたらしたもの
第3章 女性の身体イメージの近代化――大正期のブルマー普及 高橋一郎
1 女学生文化と体育
2 明治後期「女学世界」の体育言説
3 運動熱と洋装化の進展
4 ブルマーと脱女性性
5 近代女性イメージのジレンマ
第4章 ブルマーの戦後史――ちょうちんブルマーからぴったりブルマーへ 掛水通子
1 戦後の学校教育とブルマー
2 ブルマーの変遷
3 ぴっ
内容説明
男性教員や男子生徒の視線が存在する公的な空間で、女子生徒の脚部の付け根まで露出を強制していたブルマー。女性解放運動に出自をもつブルマーがたどった、明治期の輸入から戦後までの社会的・歴史的な変遷を読み解き、社会学・歴史学の視角から「脱女性化というジレンマ」「女子身体イメージの変容」「性の解放と抑圧のパラドックス」という女性の身体性をめぐる葛藤と闘争の物語を紡ぎ出す。そして、欲望のまなざしにさらされた結果、性的身体化=商品化することで消滅した過程を丹念に明らかにして、ジェンダー規範や行動様式にまで影響を与えたブルマーを通して、セクシュアリティの歴史的変容に迫る。
目次
第1章 ブルマー登場以前―衣服と脚の関係から(着物と活動性;女性の二本脚からみた日本服装史 ほか)
第2章 ブルマーと近代化―解放と抑圧のはざまで(ブルマーにまつわる解放と抑圧のパラドックス;欧米でのブルーマー・コスチュームの登場に対する反応について ほか)
第3章 女性の身体イメージの近代化―大正期のブルマー普及(女学生文化と体育;明治後期「女学世界」の体育言説 ほか)
第4章 ブルマーの戦後史―ちょうちんブルマーからぴったりブルマーへ(戦後の学校教育とブルマー;ブルマーの変遷 ほか)
第5章 スケープゴートとしてのブルマー(服装としてのブルマー;体育・女性・ブルマー ほか)
著者等紹介
高橋一郎[タカハシイチロウ]
1962年生まれ。大阪教育大学助教授。専攻は教育社会学
萩原美代子[ハギワラミヨコ]
1946年生まれ。文化女子大学教授。専攻はスポーツ社会学
谷口雅子[タニグチマサコ]
1965年生まれ。立命館大学・京都YMCA国際福祉専門学校非常勤講師。専攻はジェンダー社会学、スポーツ社会学
掛水通子[カケミズミチコ]
1950年生まれ。東京女子体育大学教授。専攻は体育史、女性体育史
角田聡美[ツノダサトミ]
1970年生まれ。福山平成大学・広島県厚生連尾道看護専門学校非常勤講師。専攻はスポーツ社会学
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