青弓社ライブラリー<br> ブルマーの社会史―女子体育へのまなざし

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青弓社ライブラリー
ブルマーの社会史―女子体育へのまなざし

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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787232427
  • NDC分類 383.15
  • Cコード C0336

出版社内容情報

明治期から1990年代まで教育やスポーツの現場で広範に普及して黄金期を築いたブルマーにそそがれたまなざしを歴史的に追いながら、「性の解放と抑圧のパラドックス」「性の商品化」などの視角から、ジェンダー規範やセクシュアリティの変容の実態に迫る。

はじめに  高橋一郎

第1章 ブルマー登場以前――衣服と脚の関係から  萩原美代子
 1 着物と活動性
 2 女性の二本脚からみた日本服装史
 3 『女大学』にみる女子教育
 4 女学生出現と男袴の強制的着用・廃止
 5 高等女学校令と女子体育・女袴の普及
 6 ブルマーへの架け橋――くくり袴(和式ブルマー)

第2章 ブルマーと近代化――解放と抑圧のはざまで  谷口雅子
 1 ブルマーにまつわる解放と抑圧のパラドックス
 2 欧米でのブルーマー・コスチュームの登場に対する反応について
 3 日本におけるブルマーの登場に対する反応について
 4 近代化の過程でブルマーの登場がもたらしたもの

第3章 女性の身体イメージの近代化――大正期のブルマー普及  高橋一郎
 1 女学生文化と体育
 2 明治後期「女学世界」の体育言説
 3 運動熱と洋装化の進展
 4 ブルマーと脱女性性
 5 近代女性イメージのジレンマ

第4章 ブルマーの戦後史――ちょうちんブルマーからぴったりブルマーへ  掛水通子
 1 戦後の学校教育とブルマー
 2 ブルマーの変遷
 3 ぴっ

内容説明

男性教員や男子生徒の視線が存在する公的な空間で、女子生徒の脚部の付け根まで露出を強制していたブルマー。女性解放運動に出自をもつブルマーがたどった、明治期の輸入から戦後までの社会的・歴史的な変遷を読み解き、社会学・歴史学の視角から「脱女性化というジレンマ」「女子身体イメージの変容」「性の解放と抑圧のパラドックス」という女性の身体性をめぐる葛藤と闘争の物語を紡ぎ出す。そして、欲望のまなざしにさらされた結果、性的身体化=商品化することで消滅した過程を丹念に明らかにして、ジェンダー規範や行動様式にまで影響を与えたブルマーを通して、セクシュアリティの歴史的変容に迫る。

目次

第1章 ブルマー登場以前―衣服と脚の関係から(着物と活動性;女性の二本脚からみた日本服装史 ほか)
第2章 ブルマーと近代化―解放と抑圧のはざまで(ブルマーにまつわる解放と抑圧のパラドックス;欧米でのブルーマー・コスチュームの登場に対する反応について ほか)
第3章 女性の身体イメージの近代化―大正期のブルマー普及(女学生文化と体育;明治後期「女学世界」の体育言説 ほか)
第4章 ブルマーの戦後史―ちょうちんブルマーからぴったりブルマーへ(戦後の学校教育とブルマー;ブルマーの変遷 ほか)
第5章 スケープゴートとしてのブルマー(服装としてのブルマー;体育・女性・ブルマー ほか)

著者等紹介

高橋一郎[タカハシイチロウ]
1962年生まれ。大阪教育大学助教授。専攻は教育社会学

萩原美代子[ハギワラミヨコ]
1946年生まれ。文化女子大学教授。専攻はスポーツ社会学

谷口雅子[タニグチマサコ]
1965年生まれ。立命館大学・京都YMCA国際福祉専門学校非常勤講師。専攻はジェンダー社会学、スポーツ社会学

掛水通子[カケミズミチコ]
1950年生まれ。東京女子体育大学教授。専攻は体育史、女性体育史

角田聡美[ツノダサトミ]
1970年生まれ。福山平成大学・広島県厚生連尾道看護専門学校非常勤講師。専攻はスポーツ社会学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

5
図書館にて。再読。ちょうど昭和のあいだは体育は男女別に行われていた。平成から男女合同になった。なんだかんだでブルマが90年代頭ごろまで残ってた要因のひとつらしい。おれ男子校だったし、1974年生まれだから、中高時代とあんまし重なってないので失念していたなぁ。学校の体操着が男女いっしょになるのも、男女合同になったからだな。2023/05/20

梟をめぐる読書

4
まずブルマーがイギリスで誕生したときには現在とはまったく異なる形状のもの(なんかロングスカートとズボンを一緒に履いたようなデザイン)だった、という事実に驚いた。まあ、確かにあのショーツ型ブルマーを履いて十九世紀に女性解放を訴えたりしてたらブルマー夫人、相当の革新家。本書は女性「解放」の象徴であるブルマーがどのように「抑圧」のそれへと転化していったかを時代の流れとともに追っていくものだが、最終的に従来のジェンダー視点や社会現象からの解釈を上書きするほどの論にはなっていないのが残念。ちょっと堅めの通史として。2012/08/31

TAKASIandTOSIKO

0
大正末期の女学生たちにとっては、スポーティ系のボイがアイドルだったということが知れただけで、余は満足じゃ 大正テニス百合夢小説とかいう概念くるおしいほどすき2017/09/08

BsBs

0
面白かったです。ブルマーについての歴史的背景の説明から、ブルマー消滅について性の乱れのスケープゴートにされたという変わった解釈まで。 特に、1920年代、つまり戦前から、女子師範学校などなので女子しか周りにいなかったとはいえ、膝丈のスカートや服を着ていたことがあったということに最も驚かされた。2017/01/13

いぬかいつまき

0
角田論文の、「ブルマーの学校からの追放は、“女生徒=性対象”という構図の問題解決にはならず、むしろ“ブルマー=性商品”と認める解釈とも」という指摘は注目すべき。ブルマー反対の主観入りまくりの掛水論文、なぜか百合展開に走った高橋論文もある意味面白かったw2011/03/02

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