青弓社ライブラリー<br> 生理休暇の誕生

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青弓社ライブラリー
生理休暇の誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787232120
  • NDC分類 366.38
  • Cコード C0336

出版社内容情報

1947年、世界で初めて制度化した生理休暇の成立過程を、明治期以降の月経をめぐる言説をとおして検証し、近代日本で女性はいかにして「身体の医療化」という社会の権力構造に取り込まれ、それに抗してどのように「自己拡張」していったのかを解明する。

第1章 なぜ生理休暇なのか
 1 なぜ生理休暇に注目するのか
 2 生理休暇は「不浄観念の延長」か
 3 本書の方法論と仮説

第2章 不浄観念から衛生観念へ――月経の病理化言説の移植
 1 月経をめぐる文明化政策
 2 月経の病理化の始まり

第3章 女学生・女工・職業婦人――近代化にさらされた「新しい女」たちの身体
 1 女学生の身体の改良と保護
 2 女工の身体と「人道主義的物語」
 3 職業婦人と「母性」の発見

第4章 生理休暇要求の始まり――月経時の労働の「問題化」
 1 女教員による「月経時の休養」要求
 2 生理休暇要求の広がり

第5章 生理休暇制度の成立――月経の「医療化」に抗して
 1 生理休暇要求言説と「労務管理」言説
 2 生理休暇要求の高揚
 3 生理休暇の法制化

終章 文化人類学的視点からの展望――生理休暇の言説史からみえてきたこと

おわりに――身体の医療化理解に向けて

あとがき

内容説明

生理休暇はどのような過程をたどって、日本独自の制度として成立したのか。それまでは不浄のものとされていた月経は、明治期に導入された西欧医学のまなざしによって病理とみなされた。そして近代産業が確立するにつれて月経時の労働が社会問題化すると、母性保護・人道主義・労務管理などの立場からさまざまな言説が出現するなか、女性の身体は社会の権力構造に組み込まれていった。その後、敗戦後の民主化と労働運動の高揚に後押しされて休暇制度として法制化されたが、現在ではその意義が問いなおされている。近代日本に網目状に張られた「身体の医療化」という権力構造とそれに抗する女性たちの「自己拡張」とのせめぎあいをとおして、生理休暇という社会的装置の政治学を解明する。

目次

第1章 なぜ生理休暇なのか
第2章 不浄観念から衛生観念へ―月経の病理化言説の移植
第3章 女学生・女工・職業婦人―近代化にさらされた「新しい女」たちの身体
第4章 生理休暇要求の始まり―月経時の労働の「問題化」
第5章 生理休暇制度の成立―月経の「医療化」に抗して
終章 文化人類学的視点からの展望―生理休暇の言説史からみえてきたこと

著者等紹介

田口亜紗[タグチアサ]
1976年、埼玉県生まれ。成城大学文芸学部卒業、成城大学大学院博士課程前期修了。現在、同大学院文学研究科博士課程後期に在学中。現在は、医療人類学を専門にフィールワークを進めている
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感想・レビュー

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izumiumi

0
社会構築主義の立場で言説分析したもの2013/03/23

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