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出版社内容情報
1940年代に、皇国史観とナショナリズム、大東亜共栄圏を体現するものとして計画された国史館と大東亜博物館を中心に、権力のモニュメントとしての博物館の本質的な性格を〈科学〉と〈精神〉という対立軸をもとに解明し、社会との関係性のなかで検証する。
序章 博物館の「政治性」をめぐって
第1章 博物館と政治世界
1 変容する政策課題
2 「博物館政策」の登場
3 皇室儀礼と博物館振興
4 「国体明徴」運動と博物館
第2章 ナショナリズムの祭典のなかで――幻の「国史館」計画
1 紀元二千六百年と博物館
2 「紀元二千六百年祝典計画」
3 幻の「国史館」
第3章 〈精神性〉から〈科学性〉へ――科学政策・教育政策の展開と博物館
1 科学政策の展開と博物館
2 「科学の社会教育施設」論と「生活の科学化」運動
3 教育政策のなかの博物館
第4章 植民地主義と博物館――イデオロギーとしての「大東亜博物館」
1 「大東亜共栄圏」建設と植民地博物館
2 幻の「大東亜博物館」をめぐって
終章 そして戦後へ
参考文献
あとがき
内容説明
1940年代の日本。「皇国民の錬成」を究極目標とする天皇制イデオロギーに媒介された“精神性”と、総力戦の遂行に必要な軍事力に直結する“科学性”という異質な二要素を体現する装置として、国史館と大東亜博物館という幻の博物館計画があった。ナショナリズムの殿堂として日本で最初の国立の歴史博物館となるはずだった国史館、そして、大東亜共栄圏を旗印にした植民地支配のプロパガンダ施設として「優秀な日本文化」を展示するための大東亜博物館。国家がその威信をかけて計画したこの二つの博物館構想を軸にして、天皇即位などの皇室儀礼や1940年の「紀元二千六百年」を契機にした博物館設立運動なども視野に入れながら、植民地主義とナショナリズムとを展示する権力のモニュメントとしての博物館を丹念に検証する。
目次
序章 博物館の「政治性」をめぐって
第1章 博物館と政治世界
第2章 ナショナリズムの祭典のなかで―幻の「国史館」計画
第3章 “精神性”から“科学性”へ―科学政策・教育政策の展開と博物館
第4章 植民地主義と博物館―イデオロギーとしての「大東亜博物館」
終章 そして戦後へ
著者等紹介
金子淳[カネコアツシ]
1970年、東京都生まれ。千葉大学教育学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科修了。現在、多摩市文化振興財団(パルテノン多摩)学芸員。博物館史研究会会員
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浅香山三郎
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