出版社内容情報
19世紀──啓蒙の世紀、近代化する社会、激変する都市と農村。あらゆる光を避けて暗闇のなかで欲望の汚穢にまみれる殺人者たち。血と寸断された身体の記録をとおして、時代を切り裂く殺人事件の深層を暴き出し、捜査技術の発展をたどる。
1 ガス燈の時代――ヴィクトリア朝時代の殺人
(1)イギリス全土をパニックに陥れた、ラトクリフ街道殺人事件(一八一一年、ロンドン)
(2)残虐な手口で異様な関心を集めたサーテル/ハント事件(一八二三年、ロンドン近郊)
(3)ヴィクトリア朝の古典的な殺人事件――レッドバーン殺人事件(一八二七年、サフォーク)
(4)死体を濫造したバーク/ヘア事件(一八二八年、エディンバラ)
(5)イギリス初の警官殺人事件(一八三〇/一八三三年、ロンドン)
(6)フランス警察の草創期――ヴィドックと保安警察
(7)詩人の殺人犯――ラスネール事件(一八三四年、パリ)
2 ドイツの犯科帳
(1)才能の浪費の悲劇――ヨハン・パウル・フォルスター事件(一八二〇年、ニュルンベルク)
(2)毒薬の魔力に憑かれたアンナ・ツヴァンツィガー(一八〇八-九年、バイロイト地方)
(3)セックス犯罪の登場――アンドリュー・ビッヒェル事件(一八〇七年、レーゲンドルフ)
3 アメリカの悪虐な殺人事件
(1)わずか四百五十ドルの借金で殺人――ウェブスター教授事件(一八四九年、マサチューセッツ州ボストン) (2)指紋で解決された最初の殺人事件(一八九二年、ネコチェア)
(3)指紋が決め手――ストラットン兄弟事件(一九〇五年、デットフォード)
(4)銃弾に刻まれた文字――コール巡査殺害事件(一八八二年、ロンドン)
7 切り裂きジャックの謎
(1)切り裂きジャック事件(一八八八年、ロンドン)
(2)切り裂きジャック伝説
理性のまなざしから逃れて――訳者あとがき(中山 元)
内容説明
十九世紀―啓蒙の世紀、近代化する社会、激変する都市と農村。あらゆる光を避け、暗闇のなかで欲望の汚穢にまみれる殺人者たち。血と寸断された身体の記録を通して、時代を切り裂く殺人事件の深層を浮き彫りにする。
目次
第1章 ガス灯の時代―ヴィクトリア朝時代の殺人
第2章 ドイツの犯科帳
第3章 アメリカの悪虐な殺人事件
第4章 毒殺と列車殺人
第5章 オーストラリアの極悪犯罪
第6章 捜査技術の発展
第7章 切り裂きジャックの謎