出版社内容情報
日本文化に潜む「闇」を透視し特異な文化論を提起する著者が、異常と正常、妖怪、異人、権力、物語、呪いなどをめぐり文化人類学から博物学、フェミニズム、精神医学にいたるまで、斯界の碩学たちと縦横無尽に語り尽くす白眉の対談集。
1 異常と正常の精神誌 宮本忠雄・小松和彦
2 妖怪談義――あるいは他界への眼差し 水木しげる・小松和彦
3 物語世界を生みだす異人たち 種村季弘・小松和彦
4 権力のディスコースと〈外部性〉の民俗学 上野千鶴子・小松和彦
5 物語が生成する場 廣末 保・小松和彦
6 近代化する“呪い” 荒俣 宏・小松和彦
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
4
小松和彦の対談集。『憑霊信仰論』、『異人論』の出版に前後して行われた対談がほとんどなので、「異人」や「憑霊」、「呪い」といったテーマが話題の中心となっている。水木しげる、種村季弘、荒又宏との対談が特に面白い。余談ですが、7月11日に有楽町の朝日ホールで小松さんを含めた研究者の方々による「百鬼夜行絵巻」についてのシンポジウムが行われます。興味のある方は是非ご応募を。講演の受講は先着600名なのでお早めにね。2009/06/15
Ars9
0
本から本が、更には本から民俗が作られてしまうくだりが印象的。伝承が途切れてわからなくなってしまっているため、水木さんの妖怪を見て、村人がこういうのが妖怪だ、と説明したりする。本人は問題ですねと笑い話として語られているけど、でもこれだって考えようによっては伝承の一種だよね。2013/02/26
zatugei
0
ポストモダン、構造主義などの全盛期の対談集。上野千鶴子の発言にあるテクニカルタームはいまとなっては意味不明。水木しげる、種村季弘、荒俣宏あたりが、私にはおもしろかった。2019/08/28