女子鉄道員と日本近代

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女子鉄道員と日本近代

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  • サイズ A5判/ページ数 208p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787221025
  • NDC分類 686.36
  • Cコード C0021

出版社内容情報

「太平洋戦争下に、男性の代替として鉄道は女性を大量に動員した」ことばかりが論じられてきた女子鉄道員は、実は1900年以前から働いていた。



明治初期の女性踏切番を皮切りに、出札係やバス・市電の車掌の勤務実態、男性職員との差別的な労働条件を明らかにし、厳しい労働実態にもかかわらず女性車掌を花形職業としてもてはやした当時の社会状況を活写する。

さらに、太平洋戦争に突入してからの国鉄の女性職員と乗務員をめぐる定説を新聞資料などを丹念に調査して引っくり返し、新たな一面を照らす。加えて、戦争末期には小・中学生まで鉄道員として動員していた事実も明らかにする。



男性中心の日本鉄道史の陰に追いやられ、物珍しい存在としてだけ扱われてきた女性鉄道員とそれにまつわる出来事を史資料を発掘して紹介し、通説に大きな風穴を開ける。

内容説明

明治初期の女性踏切番を皮切りに、出札係やバス・市電の車掌の勤務実態、男性職員との差別的な労働条件、戦時下の動員を明らかにし、厳しい労働実態にもかかわらず女性車掌を花形職業としてもてはやした当時の社会状況を活写する。

目次

第1章 最初期の女性踏切番、平山つね
第2章 踏切番のイメージを数字で確かめる
第3章 女性出札掛を取り巻く問題
第4章 バスの車掌、鉄軌道の車掌
第5章 女性車掌と社会の緊張関係
第6章 アジア太平洋戦争期の国鉄と女性職員―新潟鉄道局を例に
第7章 戦時下の女性乗務員の採用
第8章 敗戦から現代へ

著者等紹介

若林宣[ワカバヤシトオル]
1967年、千葉県生まれ。歴史・乗り物ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みつ

19
明治12年2月、当時の新聞の女性踏切番の事故死から記述は始まる。線路工の夫が踏切番もさせられ、家族までそれに従事させられられるという、明治悲惨小説の世界が現実にあった。その後、出札、車掌、運転士と徐々に職種は広まるが、「女性らしさ」の陥穽による採用、さもなくば戦時下の男性不足を補うためと、「社会進出」の一語ではこぼれ落ちる、時代の暗部との関わりが浮き彫りになる、記述は専ら終戦まで。戦後新憲法下の労働基準法が「女子」の保護が主目的にせよ深夜労働禁止を掲げたため、20世紀の終わりまで門戸が狭められたのは皮肉。2024/04/26

kenitirokikuti

10
図書館にて。予約が入ったため延長不可、今回はよく読み切れず返却した。明治半ばの新聞には踏切番の女性が事故死した記事があれども、国鉄史が女性職員の採用を始めたのはずっと後、といったなどを前半で扱う。著者は脱線的にちょいちょいウヨ嘲りを挟む作風だが、著者のオピニオンも陣営論理に忠実なところがあって、そこは読みがいがなく感じる。2024/03/07

ナツ

4
明治から近代までの働く女性の過酷さが物凄く伝わってくる。 鉄道、バス、市電だと肉体的にも精神的にも非常にキツそう 特に戦時中の男性職員の代用だと尚更だと思う…2024/03/04

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