出版社内容情報
地下鉄新橋駅には使われない幻のホームがある――やむなく作られた仮設駅とも語られるこのホームは、戦前の地下鉄建設をリードした東京地下鉄道と東京高速鉄道の地下鉄構想が衝突した結果、生み出された時代の徒花であった。日に日に戦時色が強まっていったこの時代、両社の対立は戦時体制に取り込まれていく。
新橋駅を巡る両社の対立を紐解きながら、幻のホームという「神話」が誕生したプロセスを解き明かす。そして、両社の抗争が遠因となって設立された帝都高速度交通営団の実態を掘り起こし、交通営団と戦争の関係を防空・輸送・避難などの視点から描き出す。
地下鉄博物館や国立公文書館の史料を丹念に渉猟し、これまでミッシングリンクのように欠落していた戦前の地下鉄史と戦後の地下鉄史を接続する。1934年から49年の地下鉄空白の15年を埋めて、戦時下の地下鉄の実像を浮き彫りにする労作。
目次
はじめに 東京の地下鉄史のミッシングリンク
序 章 早川徳次と五島慶太――一九二〇年―
第1部 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団の誕生
第1章 「代行会社」をめぐる確執――一九二六―三四年
第2章 新橋駅連絡をめぐる対立――一九三五―三六年
第3章 幻のホームと地下鉄騒動――一九三六-三九年
第4章 陸上交通事業調整法による統合――一九三八―四〇年
第2部 戦時下の帝都高速度交通営団
第5章 戦時下の地下鉄建設計画――一九四〇―四四年
第6章 戦時下の輸送状況――一九四一―四五年
第7章 空襲と地下鉄――一九四五年―
終 章 地下鉄の戦後復興――一九四五―四九年
あとがき
内容説明
東京地下鉄道と東京高速鉄道の対立をひもときながら、「新橋駅幻のホーム」という神話が誕生したプロセスを解き明かす。そして、両社の抗争が遠因となって設立された帝都高速度交通営団の実態を掘り起こし、交通営団と戦争の関係を防空・輸送・避難などの視点から描き出す。戦時下の地下鉄史の空白を埋める労作。
目次
早川徳次と地下鉄計画―一九二〇年
第1部 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団の誕生(「代行会社」をめぐる確執―一九二六‐三四年;新橋駅連絡をめぐる対立―一九三五‐三六年;幻のホームと「地下鉄騒動」―一九三六‐三九年;陸上交通事業調整法による統合―一九三八‐四〇年)
第2部 戦時下の帝都高速度交通営団(帝都高速度交通営団の成立と防空―一九四〇‐四四年;戦時下の地下鉄建設計画―一九四一‐四五年;空襲と地下鉄―一九四五年)
地下鉄の戦後復興―一九四五‐四九年
著者等紹介
枝久保達也[エダクボタツヤ]
1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。現在は鉄道ライター、都市交通史研究家として活動する。鉄道史学会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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