出版社内容情報
満州事変から日中戦争へと続く戦時下の日常=銃後では、プロパガンダを意図した美談が様々な団体によって作られ、新聞や雑誌は「愛国の物語」にあふれていた。
万歳三唱のなか出征する兵士、残された子を養う隣人、納豆を売って献金する子ども、夫の戦死を誇る妻、戦地の兵士を「お兄様」と呼び武運を祈る少女――。
赤誠・献身・愛国・義心など、銃後美談にこびりつく戦意高揚や動員の言葉を慎重にはぎ取り、戦時下に漂う「空気」を示す記録・資料として美談を読み替える。そして、銃後美談から、総力戦下の矛盾や人々の困難、善意という暴力、戦争のリアリティーを浮き彫りにする。
○目次
はしがき
序 章 美談の読み方――からみつくつながりと銃後
第1部 銃後美談とは何か
第1章 銃後美談集を編む
第2章 銃後美談と活字メディア
第3章 増殖する銃後美談
第2部 銃後美談が動員する社会
第4章 応召する男たちをめぐって
第5章 納豆を売る子どもたち
第6章 妻そして母たちの銃後
第7章 モダンガールと少女たちの銃後
第8章 もう一つの銃後
終 章 動員と「弱さ」をめぐって
内容説明
満洲事変から日中戦争へと続く戦時下の日常=銃後は、プロパガンダを意図した「愛国の物語」にあふれていた。銃後美談にこびりつく戦意高揚や動員の言葉を慎重にはぎ取り、戦時下に漂う「空気」を析出して、総力戦下の矛盾や善意という暴力を浮き彫りにする。
目次
美談の読み方―からみつくつながりと銃後
第1部 銃後美談とは何か(銃後美談集を編む;銃後美談と活字メディア;増殖する銃後美談)
第2部 銃後美談が動員する社会(応召する男たちをめぐって;納豆を売る子どもたち;妻そして母たちの銃後;モダンガールと少女たちの銃後;もう一つの銃後)
動員と「弱さ」をめぐって
著者等紹介
重信幸彦[シゲノブユキヒコ]
1959年、東京都生まれ。専攻は民俗学、口承文芸学、近代都市生活文化研究。慶應義塾大学文学部卒業、筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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