出版社内容情報
洗濯板とたらいの洗濯は水が冷たいし腰も痛い、そこで考案したのが、木桶に洗濯物を入れて手でグルグル回すものやら水車が回すタイプなど多種多様。食べ物を保存するために床下を掘り下げて作った冷蔵庫や水桶を乗せただけの冷蔵庫、保温するための「火がないコンロ」に手回しのミキサー…。
「これ、ホントに使うの?」の珍品も次々に売り出された。スープが冷めないための電熱スプーン、柱に取り付けるあんま器、木を登る自転車に水陸両用の自転車、水上歩行器、テコと歯車を組み合わせた人力原動機…。
電気、ガス、ガソリンなどのエネルギーがほとんどなかった1900年代からの50年間の数千冊の婦人雑誌・生活雑誌に載った「便利生活」のための日常品を図版とともに紹介する。いまでは「これナニ?」でも当時の家事労働には大きな力になった、懐かしくもおもしろおかしい品々が近代生活を描き出す。
魚柄 仁之助[ウオツカ ジンノスケ]
1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『台所に敗戦はなかった』(青弓社)、『腸を元気にするレシピ109』(飛鳥新社)、『食ベ物の声を聴け!』(岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』(朝日新聞社)、ほか多数。
内容説明
生活を合理的に楽にこなせるように、という願いから生まれた手でハンドルを回す洗濯機、電気も氷も使わない冷蔵庫、非電化のマッサージ器やパワースーツ…。電気などの動力に頼らない非電化、非化石燃料を前提とした道具類。「なに?これ!」の道具類には、しかし「生活するためにはこれが必要だ!」という力強いメッセージが込められている。高度経済成長の波に流されて姿を消していった珍道具の数々をよみがえらせ、手仕事が生活を作っていた時代を振り返る。
目次
第1章 冷たいのがイヤ!―人類と洗濯との戦い(ムネタの防水防寒炊事手袋;ゴム製メリヤス裏防寒防水炊事手袋 ほか)
第2章 冷たくしたい!―電気冷蔵庫への長すぎた旅(明治・女学校家事教科書の氷箱;大正・家事教科書の冷蔵箱 ほか)
第3章 不滅の火なしコンロをたたえよ(日本初の火なしコンロ;料理箱 ほか)
第4章 もったいなくない暮らしの手帖(富貴蒸煮鍋;万福釜フタ ほか)
第5章 便利そうで便利でなかったモノたち(富士はやと;安全剃刀砥石 ほか)
著者等紹介
魚柄仁之助[ウオツカジンノスケ]
1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『食のリテラシー』(こぶし書房)、『台所に敗戦はなかった―戦前・戦後をつなぐ日本食』(青弓社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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