内容説明
軍隊での戦闘体験を共有した仲間が作った戦友会は、数と規模、そして会員の情念と行動力の強さから日本独特の社会現象である。会員への聞き書きも含めて、軍隊や戦争への感情、死んだ戦友への心情などを60項目で浮き彫りにし、戦争体験の継承をめざす。
目次
戦友会と伊藤桂一
日本軍の組織・編制
日本軍の階級
日本軍の軍学校制度
通称号
戦友
軍歌のなかの戦友
戦友会のはじまり
戦前の軍事関係団体
帝国在郷軍人会〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nnpusnsn1945
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戦友会についての概説書である。戦友会創設の経緯や、慰霊を目的としない会がある等発見が多い。海外の戦友会にも視点がある。靖国神社に関しても、兵士の合祀は当然と考えてはいるが、政治家の参拝に賛同するかは別問題であるとの指摘は卓見である。たしか、NHK兵士たちの戦争でミレー島の元兵士が護国神社で慰霊祭をしていたし、ミレー会も協力していたが、元兵士は敵兵でなく餓えとの戦いと言っていたから納得である。左右の政治が絡む会は別として多くは政治から距離を置いているとのことである。2022/08/31